はんだベジたべる~食べよう!伝統野菜~(講演会)

2018年2月7日(水)


九重ふるさと自然学校では、地域に残る伝統野菜を普及し継承していくため、九重町の飯田公民館と共催で、「はんだベジたべる」という料理体験会を行っています。 
 2017年度の第3回は、大分県の地元ゆかりの野菜について造詣が深い大分県豊肥振興局の奈良絵美さんをお招きし、講演会を実施しました。

大分県内ではカチャをぼうぶらと呼ぶ

 奈良さんからは、大分の戦国キリシタン大名・大友宗麟がポルトガル船から献上を受けた日本最初のカボチャ「宗麟南瓜(そうりんかぼちゃ)」の里帰りプロジェクトを中心に、大分県で古くから作り続けられてきた地元ゆかりの野菜、果樹等の保護プロジェクトや県内の食文化と共に残されてきた野菜のお話などをいただきました。

宗麟南瓜

 地元ゆかりの野菜は、地域単位で現在も食文化と密接につながっているものがある一方で、社会の変化や現代の改良された品種の登場で栽培されなくなり、絶滅寸前になっているものなど、その状況は様々です。将来にわたって保存・継承するには、やはり消費者がいることが重要で、食べること、食べ続けることが食文化の保護や栽培の普及にもつながります。

 講演後、九重・飯田高原ゆかりの里芋である“マタグロ”と一般的な里芋とで味比べや、昔から伝わる“むたとうきび”のお茶を飲みながら、飯田の伝統野菜について情報交流を行いました。

交流会。むたとうきびを粉にして作る飯田の伝統食「とうきび餅」が話題に

 参加者の皆さんからは、「いろいろな野菜に物語があるのだと思った」「昔から地域にある野菜の奥深さを知り、なくしてはならないと思った」という感想をいただき、今後の普及・継承活動に向けた実のある時間となりました。

雪の結晶

2018年2月6日(火)
「雪の結晶」

雪の積もった畑で野生動物の足あとを観察していると、それは美しい雪の結晶を見つけました。

太陽に照らされた結晶は、透き通るような透明感。
樹木が枝を広げているようにも見えます。
雪の結晶は、上空の温度や湿度条件で様々な形が生まれ、その数は30種類以上にもなるそうです。
雪の研究者である中谷宇吉郎の「雪は天から送られた手紙である」という言葉は、まさにそれを意味しています。
九州でも雪の多い今冬。舞い降りた雪をじっくり観察するのも、冬の楽しみです。(指原)

人も。モグラも。

2018年1月24日(水)
人も。モグラも。
 
 鏡開きやもぐら打ち(子どもたちが地域の家々を回り、家の前でわらぼてを叩き、五穀豊穣や家内安全を祈願する行事)も終わり、お正月気分もすっかり抜けた今日この頃。

 私たちのフィールド「さとばる」で、もぐら打ちの難を逃れた?モグラ塚が点々と続いているのを見つけました。土が小高く積み上がった塚が縦横無尽に走っています。体長20センチほどの小さな体に宿るパワーを感じます。 

 田畑の厄介者を追い払うことに端を発し、年始の行事になった「もぐら打ち」。人の想いを知ってか知らずか、土の中のモグラは寒い冬にも負けず元気そうです。(川野)

 

冬のくじゅうバードウォッチング

2017年12月9日(土)

 寒波の襲来で一面の銀世界となった冬の黒岳原生林の麓でバードウォッチングを行いました。

雪の散策路でバードウォッチング

 夏は生い茂った葉に視界を遮られ、鳥たちの姿を観察するのは難しいのですが、冬はその悩みから解放されます。すっかり雪道に変わった散策路の入ってゆくと、シジュウカラ、ヤマガラ、ゴジュウカラ、エナガ、コゲラ・・・と、さまざまな小鳥たちが出迎えてくれました。冬はこれらのようなスズメサイズの小鳥たちが種の垣根を越えた群れ「混群」を形成する季節です。混群には「餌が見つけやすくなる」、「敵に気付きやすくなる」といったメリットがあると言われています。この時期ならではの小鳥の助け合いを観察することができました。

混群の一角、エナガ
キツツキの一種であるコゲラも混群に加わります

 また、散策路を抜けて開けた環境に出ると、ミヤマホオジロやジョウビタキといった冬鳥に加え、上空をオオタカと思われる猛禽類が横切ってゆくなど、意外な出会いもありました。一方、期待していたカワガラスやミソサザイといった水辺の鳥とは出会えずじまいとなってしまいました。野生の生きものが相手なので、なんでも思い通りというわけにはいきませんが、だからこそ出会えた時の喜びも大きくなると言えます。次回こそ期待したいところです。
 冬は冬眠して過ごす生きものも多いですが、鳥たちは休むことなく活動しています。鳥の姿を観察しやすい冬はバードウォッチングを始めるのにうってつけの季節です。少し寒さを我慢して、鳥たちの暮らしぶりをのぞいてみるのはいかがでしょう。

秋のボランティアワークキャンプ

2017年11月18日(土)~19日(日)

 今年もこの秋のボランティアワークキャンプの機会に「炭焼きと防火帯整備」を行いました。それぞれ炭焼きはクヌギなどから炭を作る活動、防火帯整備は春に行われる野焼きの準備としての活動ですが、「炭を作ること」や「野焼きをすること」が目的というわけではありません。
 炭焼きをするためには雑木林の木を切って材料とする必要があります。この「木を適度に切る」という行為は、木の萌芽更新を促し、雑木林の多様な環境と豊かな生態系を保全することにつながります。また、野焼きも草原の藪化を防ぐとともに新芽の再生を促し、現在の日本では貴重な環境となった「草原」の保全に欠かせない活動です。

竹炭にも挑戦。竹林の荒廃も問題になっています
材料を詰め終わったら火入れ

 炭焼きも野焼きもかつては生活必需品である炭を作るためであったり、放牧地や採草地として大切な草原を維持するためであったりと、人々の生活に欠かせないものとして当たり前に行われていました。そのことが図らずも豊かな自然を保全することにつながっていたわけです。しかし、近年のライフスタイルの変化により、これらの行為は必ずしも必要というわけではなくなりました。その結果、雑木林が荒れることによる生物多様性の低下や、草原環境の縮小などが起こってきています。このような変化によって失われてきた自然との共存の在り方を考えていただくことも、このワークキャンプの側面の一つであり、参加者の皆様にはこれらを活動を通して知っていただくことができました。

翌朝、窯を開けて炭出し。立派な炭が完成しました
刈った草を寄せて防火帯整備

 かつての人々にとって当たり前だった自然との共存を知りたい方・体験した方、是非ボランティアワークキャンプに参加してみてください。