産卵の季節


「そろそろ産んでるかな~」と田んぼをさがしていると…
ありました!ニホンアカガエルの卵!!

ニホンアカガエルは、冬から早春の期間に産卵するカエルです。
カエルは春の最盛期から初夏にかけて卵を産む印象が強いと思いますが、このカエルは、ヘビなど天敵となる動物が活発に動き出す前のまだ寒い時期に卵を産みます。
子ども(おたまじゃくし)が彼らの胃袋に入る危険を減らし、より多くの子が生き延びられるようにしていると言われています。
「氷が張るような寒い日もあるけど、たくましく生きるんだよ~」「一匹でも多く立派なカエルになってね」。
お父さんとお母さんの愛を感じます。

以前出会った冬眠明けのアカガエル

ところで、他のカエルたちが寝ている間に起きて、繁殖を終えたアカガエルくんとアカガエルさん。
実はこの後、なんと二度寝します。
お目覚めはもっと暖かくなってから。春らんまんの時季でしょう。
そして、6月頃にはジュニアたちが田んぼでぴょんぴょん跳ねていることでしょう。
いまごろ、親子の再会を夢見ているかもしれません。(指原)

春の到来


ここ数日、一気に暖かくなった飯田高原では
シジュウカラやウグイスのさえずりが聞こえるようになり、
野焼きを待たずして春の到来が感じられました。
ミヤマホオジロなどの冬鳥もまだ見られるので
何とも不思議な感覚になりますが、
これからどんどんにぎやかになっていくことは間違いありません。
季節の移り変わりを感じてください。(阿部)

さえずるシジュウカラ

オオカマキリの卵


昨年は園内でよくオオカマキリと出会いました。

畑や草原、ある時は建物の壁面でじっとしている様子も。

 

そして冬には、よく卵を発見しました。

カマキリは卵で冬を越すライフサイクルです。

カマキリの卵全体を卵鞘(らんしょう)という。
形は種類によって異なる。

この固形化した泡のような物質の中に、卵が数百個も入っているというので驚きです。

お子さんがこれを引き出しに入れていて、春に孵化して大変なことになった!という話を聞きますので、皆さま観察の際は要注意を。

 

また、昔から「カマキリが高いところに産卵したら大雪」という言い伝えがあります。

ここ九重町でも自然現象や生物の様子などから天気を予測する観天望気として使われていたそうです。

しかし、未だその真偽は定かとなっていないそうです。

昨年9月に出会ったオオカマキリ

ちなみに今冬のさとばるでの積雪量は約20㎝、発見した卵は地上30㎝の場所にありました。

確かに雪に埋もれない高さですが、言い伝えの真偽は果たして⁉

 

「カマキリさん、どこまで予知しているの?」と尋ねてみたいものです。(宮本)

オナカガヨクナルキ


冬のクヌギ林で伐採中、黄色いおがくずが出る木を見つけました。
切り口はペンキで塗ったように黄色く染まっています。

これはキハダ(黄檗)と呼ばれるミカン科の高木です。

カラスアゲハの幼虫が食べる植物のひとつで、葉をちぎるとミカン科ならではの爽やかな香りがします。
生薬の「黄柏(おうばく)」として有名で、樹皮を剥ぐと現れる黄色い部分(内皮)が薬になります。

久しぶりにかじってみると、、、やはり苦い!
胃腸薬として有用ですが、センブリやリンドウなどお腹に効く植物は苦いものが多いですね。(指原)

松ぼっくりの生きる術


晴天の日、園内を散策していると松ぼっくりを発見しました。

この松ぼっくりですが、じつは湿度によって閉じたり開いたりするそうです。

「面白そう!」

ということで閉じている状態の松ぼっくりを拾い、実際に開くかどうか実験をしてみました。

薪ストーブの力を借りて、乾燥させることに。

閉じた状態
薪ストーブにて、乾燥中

 

数時間後、松ぼっくりは大変身。

見事に傘を開きました。

開いた状態

この現象、じつは松ぼっくりが鱗片にある種子を守り、より遠くへ飛ばすために起こるそうです。

雨で遠くに種子を飛ばせない日は閉じて種子を守り、晴れて風がある乾燥した日に開いて種子を遠くに飛ばす。

まさに進化の過程で得た松の木の「生きる術」ですね。(宮本)