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ドイツ研修奮闘記 連載-第3回- 「歴史から学ぶ」

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ドラヘェンフェルスを歩く
(写真提供:事務局)


 研修初日、私たちはドイツにおける環境活動の歴史を把握するために、ドイツ最古の自然保護地域であるドラヘェンフェルス(丘の名前)にある「ドイツ自然保護ミュージアム」を訪れました。
 このミュージアムでは、ドイツの文化や社会的背景の中で環境活動がどのように変わってきたのか(どのように自然を守ろうとしてきたのか)ということを人物に焦点を当て、様々な角度から時代ごとの活動を展示しています。また、これまで行なわれてきたボランティア活動の経験や知識を維持するために情報を集めたり、学術研究や比較的大きな環境団体とともにイベントを開催するなどしています。
  ここでの展示によると、「環境を破壊するに至った原因」と「当時、破壊されつつある環境を保全しようとしたきっかけ」は時代、活動、人物によって様々でした。例えば、原因としては、戦争で食糧難のためにやむなく湿地を埋め立てた、帽子に飾る羽を得るために鳥を乱獲した、など。また、きっかけとしては、画家が自然の美しい風景を守るために水力発電の建設に反対した、狩りを楽しむために自然や鳥を保護した、今までの生活を守るために工業化に抵抗した、など。ここで、環境保護には、美的・感情的・社会的な見方があることを具体的に感じることが出来ました。

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(左)ドイツ自然保護ミュージアムの前で
(写真提供:事務局)

(右)デザインされた展示の様子
(写真提供:事務局)


 ドイツの環境活動の歴史に対する私の印象として、活動の多くは野鳥の保護という感情的な愛護に始まり、近年では、野鳥をはじめとする人間を取り巻く環境は、結局のところ人間自身に影響を及ぼすこととなる、という考え方の元に現在の様々な環境保全活動が行なわれているのかな、と感じました(確か、日本での環境活動のきっかけは公害だったはず)。

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人物に焦点を当てた活動の紹介
(写真提供:事務局)


 さらに、現在と同じように、1900年代の野鳥保護活動においても広報や啓発に工夫がされていたり、いくつかの保全地域をつなげて大きな力に発展させる、また、学術研究を政治的なものにつなげていく、などの事例を見ることが出来ました。
 このことから過去の活動から学ぶことは多く、現在の活動にも生かせる情報が多く詰まっていることがわかりました。このミュージアムを案内してくださった研究者の方も、過去の活動によって、活動の戦略やコンセプトなどを参考にすることが出来る、とおっしゃっていました。
 さてここで、過去の活動や他団体の活動など、数知れない活動がありますが、自分の活動以外について知る機会はどれくらいあるでしょうか。また、その知識や学びが自信の活動に生かされるケースはどれくらいあるでしょうか。
 私自身の今後の活動では、地域や分野に限りがあるかもしれないけれども、出来るだけ多くの人に出会って、実になる情報を得て、さらに活動を充実させていけたらなぁ・・・と夢が膨らみました。




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