難しいお話はちょっとひとやすみ。たまたま通りかかったエコスーパーマーケットの取材。
研修2日目の朝。この日はNABUを訪れることになっていたが、現地に早めに着いたので、事務所周辺をうろうろ。少し歩くと、『MOMO』の看板を発見。「モモ!モモ!MOMOがあるよ!!」。なんのことだか…。実はメンバーの桃井さんはドイツでは「モモ」と呼ばれていたのです。
一際目立つオレンジの看板に誘われ、大きな道路から少し中に入ると、そこは静かな住宅街だった。興味津々で店に入ると、スーパーマーケット、しかもよく見るとエコスーパーマーケットだった。
野菜はほとんど包装されておらず、必要な分だけを買う。売られている野菜は日本とそんなに違いはなかった。私たちが宿泊しているホテルの朝食バイキングでは、生野菜が少なく、他のレストランでも「肉、いも、肉、いも…」という記憶が今でも離れない。家庭料理ではもっと野菜を食べるのだろうか。肉好きの私も、さすがに「やっぱり日本のご飯の方がいいなぁ」と研修中毎日思っていた。
ここの籠はリンゴ、リンゴ、リンゴ。研修中、環境活動団体の説明の中でリンゴの話が何回か出てきた。昔のリンゴの種を散在果樹園というところで現在も大切に育てているそうだ。昔のリンゴは形も大きさもまちまちで売り物になりにくいため、環境保全団体が少し高めの値段でリンゴを買い、ジュースにして販売していた。これで昔のリンゴも守られ、リンゴ農家も生計を立てられるのだ。ここで売られていたリンゴはちょっとわからないが、籠ごとに大きさや熟し方が違ったので、農家ごとに分けられているのかなぁ…なんて思った。
この店では「BIO」と書かれた商品がたくさんある。そう、「環境にいいですよ」ということを認定された商品を意味するマーク。特に野菜では「有機野菜」ということになる。いくつかのお菓子や雑貨にもこのマークがついていた。
写真のように、この店で売られている飲み物は、全てビンに入っており、きれいに陳列されていた。他の店では、ビンではなくペットボトルもあったが、日本のペットボトルとは少し違い、分厚く、たくさん傷がついているものもあった。何度もリユースされているようだ。
たまごも他の野菜と同じく必要な分だけ一緒に置かれている容器に入れて買う。この容器もよく見れば再生紙っぽく、触ってみると厚紙のように丈夫だった。
最後に、やっぱりレジ袋販売コーナー。日本でも有料化されている店もあるが、ドイツのほかの店ではどうなんだろう…。種類が多く、買ったものに合った袋を選べばよい。しかし、写真に写っているものは、右から約150円、900円、50円。日本では5〜10円が相場だったと思う。レジ袋持参率までは聞けなかった。
この店に来る人はどんな想いで‘エコ’な野菜や雑貨を買っていくのだろうか。環境の活動をしている人?添加物に弱い人?子供にいいモノを食べさせたい人?環境にいいモノを買いましょう、使いましょう、というのは頭ではわかっているけれどもなかなか行動につながらない。ドイツではできなかったが、日本で‘エコ商品’を手にとった人の動機を聞きいてみたい、と思った。
最近、私自身も毎日の買い物でグリーン購入※を心がけている。まずはやっぱり食べ物。有機野菜やフードマイレージ(輸送エネルギーや生産地の環境消費を考慮した食物のトータルコスト)を考えて買っている。
同時に、「自分の食べたいもの」は「自分で作る」ことも始めた。えだまめ、落花生、トマトなどなど…ビールのお供から。自分で作ってみて初めて、日々の成長を見て愛着がわき、普段買って食べている物に対する感謝の気持ちに気付いた。
ちいさなちいさな一歩から。
※製品やサービスを購入する際に環境を考慮して、必要性をよく考え、環境に与える影響ができるだけ少ないものを、環境保全に熱心な企業から、優先して購入すること。 |