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「ドイツ環境なるほど紀行」 連載-第5回- 番外編:ドイツ・スーパーマーケット訪問紀

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リターナブル・ボトルの返却
(写真提供:重栖さん)

ボトルの入れる場所。
使用方法が書いてある
(写真提供:宇都さん)

ドイツ滞在中に、どうしても行きたかった場所・・・それはドイツのスーパーマーケットである。空き瓶などの回収システムや、多くの市民は買い物袋を持参している話など、行く前からドイツの面白いスーパーマーケット事情をいろいろな人から聞いていた。せっかくドイツまで行くのだから、ぜひそんな様子を垣間見たい。そんな私たちの声に応えて、研修の合間にスーパーへ行く時間をいただくことができた。なので今回は、ちょっとのぞいたドイツのスーパーからの「番外編」である。

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このように瓶を入れる
(写真提供:宇都さん)

スーパーに入ると、まず入り口近くに、大きなリターナブル・ボトルの返却機を発見!「おー、これが」と、みんなでじっくり眺める。リターナブル・ボトルとは回収後、洗浄してまた利用されるボトルのこと。いわゆる「4R*」のREUSEリユース(再利用)である。リサイクルの場合、ビンや缶は溶かして作り直すが、リターナブル・ボトルは洗浄するだけで再利用できるため、リサイクルよりも更に省エネとゴミの減量につながるのだ。

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レシートが出てきた!
(写真提供:宇都さん)

ボトルの返却方法は簡単。リターナブルマークの付いている空き容器を持参し、返却口に入れ、蓋を閉じる。すると「ウィーン・・・ゴトゴト」と音がして、ボトルが回収される。再び蓋を開けると、返却口は空になっている。ボトルをすべて返却し終えたら、ボタンを押し、レシートが印刷されるのを待つ。レシートをレジに持っていくと、ちゃんとお金が返ってくるのだ。空瓶を1本返却すると8セント(約2円)が戻ってきた。なんとも楽しくなる。

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2本返却したので、 16セントが戻ってくる (写真提供:宇都さん)

ドイツでは国の制度として「デポジット制」を導入している。デポジットとは、製品の価格の中に容器の預かり金を上乗せし、使用後に容器を返した際に、預かり金を返却することだ。ビール、ミネラルウォーター、清涼飲料水などは全てデポジットの対象となっている(ジュース、牛乳、ワイン、紙パックなどのエコロジーな容器に入ったものは対象外)。ちなみに、私たちが訪問したときは、ビンやボトルのサイズによってデポジット料金は異なったが、2006年春以降は25セント(約35円)に統一され、全ての取り扱い店にて返却可能となるそうだ。

ボトル返却機の写真を撮った後、店内も見て回る。野菜売り場では、ばら売りが多く、包装も少ない。また、有機マークやフェアトレードマークのついた商品も多数あった。買い物に来ているお客さんは、皆、買い物袋を持参している。ドイツでは、袋をもらうのは有料なのだ。レジ近くには、布製の買い物袋も販売していた。1枚2ユーロ(約287円)。店ごとのデザインもかわいい。

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左から 野菜売り場。包装材が少ない / 有機りんごジュースと有機オレンジジュース / フェアトレードマークのオレンジジュース(写真提供:阪本)

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すべての卵がナンバリングされていた
(写真提供:阪本)

なかでも、驚いたのは卵である。卵一つ一つにOKO 0-DE-1261013など、ナンバーが印字されている。このナンバーを調べれば、卵の生産情報がわかるそうだ。この店では有機認証のオーガニック卵、平飼いの卵、普通(ケージ飼い)の卵というように、3種類の卵がそれぞれ販売されていた。オーガニック卵には、鶏の1羽あたりの飼育スペースや、有機飼料など、いろいろと規定がある。もちろん卵の有機認証制度がなくても、本来は農家と消費者が顔の見える信頼関係の中で、環境にやさしく安全な食品を購入できるのが一番だと思うが、多くのスーパーでこれだけの選択ができるということがすごい。

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オーガニック卵など、種類が豊富 (写真提供:阪本)

スーパーマーケットは、市民の環境意識が顕著に現れる場所である。農薬や化学肥料を使わない商品を買うことは、単に自分の家族の健康を守るだけでなく、環境保全型農業をする生産者を支援し、持続可能な社会作りを支援し、しいては未来の世代を守ることなのだ。ドイツのほとんどのスーパーでオーガニック農作物が販売されているということは、国としての政策もさることながら、消費者のニーズがあり、市場として成立しているということではないだろうか。ラインランドファルツ州の環境情報センターのホーンさんは「人間とは面白いもので、市場があれば関心をもつものなのです。」と話してくれた。消費者の意識が先か、はたまた市場が先か。そんな議論よりも、行政と環境NPOと企業が協力しながら、消費者と生産者のニーズを組み合わせて、環境にやさしい持続可能な市場を成立させること。これこそ、日本がドイツから学び、取り組んでいくべきことだなあ、と思う。

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リフューズrefuse(断る):ゴミになる物や環境負荷の高い物、要らない物を断る。
リデュースreduce(減らす):使う量やゴミを減らす。
リユースreuse(再利用):物を繰り返し使う。一升瓶やビール瓶などを回収し、洗浄した後、再び利用すること。
リサイクルrecycle(再使用):溶かすなどして再生資源として使用する。牛乳パックを回収して、トイレットペーパーを作るなど。





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