セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

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「ドイツ環境なるほど紀行」 連載-第9回- お金をかけずに、効果的な広報!2 〜ダンボール箱で温暖化防止〜

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アピール文を作成中
(写真提供:小野さん)

「では実際に、広報をやってみましょう!」ということで、講義の後、私たちに手渡されたのは、ダンボール箱。なんと、温暖化防止のメッセージをダンボール箱に書き、全員でこれを持って、マインツ市の駅までぞろぞろと歩くのだという。今まで、いろんな形の広報をしてきたが、こんな広報は初めてである。早速、各自メッセージを書いて、いざマインツ市へ出動だ。歩いてみるとこれがまた目立つ!通りかかる人も皆、おもしろいくらい振り返ってくれる。駅に到着すると、事前にハイドさんたちがプレスリリースを流していたおかげで、新聞社からも取材の申し込みがはいっていた。最後は駅の中央階段も上がって下りて、しっかりとアピール。準備期間は30分ほどで、かかった費用はもちろんゼロ。広報には、時間とお金が必ずしも必要でない、ということの見本となるような楽しい広報であった。

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マインツ市内を歩く!
(写真提供:小野さん)
マインツ駅前で。
かなりアピール度は高い
(写真提供:小野さん)

人マインツ駅構内へ突入
(写真提供:小野さん)
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ドイツの新聞に
掲載された記事
(写真提供:阪本)

「独創性があり、新たなアイデアにのっとっているものが、プレスには取り上げられやすいのです」とハイドさん。確かに「日本から来た環境ボランティアと一緒にダンボール箱を持って温暖化防止キャンペーン!」というのは、多少ニュース性があるのかもしれない。この日の取材は、新聞に写真入りで掲載されるという嬉しい運びとなった。枠にとらわれない自由で独創的な発想、そして機を逃さないプレスリリースの重要性を実感した。

他にも、ビンゲン支部では、さまざまな面白いアイデアいっぱいの広報活動を行っていた。市民の人たちの興味を引くために、道路の10〜15mごとに1つづつ点をおいていって、その点を追っていくと、準備しておいたイベント会場にぶつかるといったもの。駅の階段と階段の間に、メッセージを1文字づつ書いていき、下から上へ登ると全文見えるようにする。また、世の中には素晴らしい広報があふれていて、それに目が慣れているので、逆に手作りのものが、市民の興味を引くこともあるとのことだった。

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野外での自然学習のデモ体験
(写真提供:小野さん)

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子ども達と川の生物
調査をするときのキット
(写真提供:重栖さん)

様々な活動の中でも成功したのは、「子どもと環境」活動の、自然体験プロジェクトだそうだ。「子ども達がゲームやパソコンばかりしているのを、なんとかしたい」という地域の親のニーズを感じ、それを環境保全活動へつなげないものかと考え、子ども達の自然体験プロジェクトの実施となった。ニーズがあるところと、自分たちが目的としているところを、つなげることが、とても大切なのだ。結果として、今までで一番多くの問い合わせが来て、最終的には子どもグループの設立へとつながったそうだ。今では、都市で育った子どもも多いので、両親にも自然体験プログラムに参加してもらったり、子どもたちの今までの活動を写真で紹介するイベントを実施するなど、子どもだけでなく、親もまきこんで活動をしている。親とコンタクトを取りたかったら、まずは子どものグループを通じて親とつながっていくことが大切なのだ。

「広報に最高の手法はありません」とフリーダーさん。自分たちが、到達したい層を知り、自由な発想を持ち、常に効果的な広報活動を検証していくこと。そしてなにより、市民のニーズと自分たちの目的をつなげていくこと。それこそが、ドイツの環境保護団体が社会の重要な一員として活動している秘訣なのかもしれない。




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