セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

※こちらはアーカイブ記事です。

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環境ボランティアリーダー海外研修

2006年(平成18年)第9回環境ボランティアリーダー海外研修レポート

海外研修レポート 感想 紀州えこなびと
口井隆司 さん

① 訪問団体の内容でどの部分をボランティアリーダーとして活かせるか。

 
今回の研修では、多くの活かせるものを勉強させていただきました。個人的目標は、自治・情報(資金調達・人材育成など)・仲間というキーワードでしたが、それ以外にもリーダー像・法制度・社会制度・財源の重要性・人材育成・ネットワーク・コーディネート・ファンドレイジングなど多岐にわたって勉強させていただきました。帰ってからの組織づくりや、組織運営・資金運用、事業の実施、パンフレットの作成まで、いろんな次元ですぐに実践できそうです。また、個人的課題の第一番に、自治(行政との関わり)をあげていましたが、自分の仕事に活用できるような内容がたくさんあり、大変ありがたく思っています。
 以下具体的な話です。

  • BUNDやNABUなどが連邦自然保護法や州自然保護法の中に認可団体と位置づけられ、訴訟の当事者適格や、計画段階での発言権が保証されていることがわかりました。自分が関係する団体をどこまで社会に打ち出していくか、責任を負担していくかなどを考えさせれました。
  • 組織作りについては、0から様々な物を作り上げていく重要性を勉強できたような気がしました。すでにある仕事を淡々とこなすのではなく、常に時代にあわせた新しいあり方を模索していく姿勢。そういう姿勢でこれから関係するNPOの組織作りを進めていこうと思いました。
  • 人材は訓練して育成するもので、育成は形式だけの研修だけではなく、実地で苦労することが大変重要であることを感じました。「環境や舞台が人を育てる」ということを旨に、今後後輩の育成に当たっていきます。
  • BUNDやNABUなどのように、組織の多層構造により、扱う問題の規模、手法など差をもうけているシステムは理想である気がします。
  • BUNDの「資金面では自立性を高めたいという思いから、どんな寄付でも受けるわけではない」という思想がすばらしいと思いました。そういう思想を持つことは会のプライドにつながり、ひいては会の質も表すようになると思いました。
  • ネットワークは、なにか目的があるから結成するものと考えていましたが、Fugeをみてそれを確信しました。ネットワークは手段であり、目的ではない。またネットワークを持つならば、環境の分野だけでなく、さまざまな分野の連携が重要だと感じました。
  • 社会における“公”意識の違いを大きく感じました。今後の仕事の中で活かしていきたいと思います。
  • 今回、州の環境ボランティア制度を勉強させてもらいましたが、自分の仕事においてもこのような事業を実施したいと考えています。どういう視点で事業を実施しているのか、日本でシステムを考えていたときに見えていなかった部分を発見したり、方向性を確認したり、参考になることがたくさんありました。とくに和歌山では、受け入れ先の充実度と、研修生と受け入れ先のマッチングシステムが必要です。
  • NPO活動は“思い”が大事だし、それを打ち出していくことも重要だと思いました。日本人は表現力が弱いとか言われますが、本当にそうだと思いました。‘自分の思い’で活動を実施しているので、もう少し積極的にその思いを表現していくことが必要と感じました。
  • ぜひ研修生引き受けシステムを実現したいと考えています。とりあえず自分のNPOを引き受け可能な状態に準備し、民間レベルで研修制度をスタートさせようと思っています。
  • 日本の場合はなんでも、言い出しっぺは100%の責任と行動を求められ、人間の能力を超えて不可能なことが多いと思います。(「森に子供を連れて行くとけがをするかもしれないので、連れて行かないでおこう」など。)NPO活動には、社会における責任を引き受ける必要性を感じました。
  • ファンドレイジングは、単に目の前の助成金や寄付金をいただく手法ではなく、寄付金を出してもらえる状況・理由づくり、寄付金をお願いするターゲット、手法など多岐にわたることがわかりました。それを抽象的な話ではなく、パンフレットという目の前の話題を用いて具体的に話していただいたことは、大変ためになりました。話は全てがあたらしいものではなく、以前聞いたことのあるものでしたが、パンフレットをつくるという作業に落とし込んだ際、こうなるということをみさせていただきました。帰ってからすぐに実践していきたいと思います。
  • 最後に各団体の簡単なコンサルティングをしていただきましたが、少ない情報の中で適切な判断をされる先生に驚かされました。えこなびとのように入会金のみで、会費の徴収をしない団体は長期的な活動が難しいと思っていましたが、グリーンピースもそういう形態を取っており、団体の存在そのものを否定するわけではないことがわかりました。また先生には私たちに見えない何かがみえているのがわかって、自分自身様々な分野でもっと勉強する必要性を感じました。

 このほかにも、小さい工夫やアイデア、多くの情報が勉強できました。特に自然環境の面では、国立公園を訪問し、公園萌芽期の取り組みを見学させていただきました。多くの質問により公園制度の違いが明らかになり、またそれを考えることで、最近陥りがちだった地域中心の考えから、少し視野が広まりました。
 研修制度などはすぐにでも実現させ、和歌山県が環境の先進県で、ドイツから人が見にくるような情報発信をしていきたいと思います。また今回できたいい仲間とも、今後もしっかりと人間関係を継続していきたいと思っています。今回の研修で得たものは必ず地域に還元し、みんなで共有し、実現していきたいと思います。


② 研修を通して日本の環境ボランティアリーダーを支援するために、どのような仕組みが考えられるか。

 
日本のボランティアリーダーを支援するためには、まずその人材育成および各種支援制度が必要であると思います。
 ボランティアリーダーにたる人はまだまだ世間には少なく、もっとそういう人材を増やしていくことが、今の僕の周囲ではもとめられています。ボランティアリーダーは社会を引っ張る立場であると思いますので、その意識でどんどん全面に出て行くべきだと考えています。そしてそれは個人的資質以外にも、訓練や経験を積まないといけません
そういったミッションをもった主体がまず必要で、研修制度・スタートアップ時の支援などが重要であると思います。
 セブンイレブンみどりの基金は、日本の助成制度の中に珍しく、リーダー人材の本格的育成、組織のスタートアップ時の支援を行っている点が特徴的だと思います。現在のセブンイレブンみどりの基金のような支援方法を採用する団体が増えてほしいと思っています。

 経験を積み、基本的知識を得、訓練を積んだ人材が継続的に排出されてくるようになれば、環境ボランティアリーダーのなかでお互いに切磋琢磨し、それぞれいい方法や情報が出てくると思います。そうなってくると、今度はそれを共有する仕組みが必要であると思います。ですので人材育成のミッションを担当した主体は、単なる支援組織ではなく、ネットワークの中心となり、情報交換や意見交換などはもちろん、BUNDやNABUのように政策レベルで多くの団体を引っ張っていく立場にならないといけません。専門家が必要ですし、そう振る舞うこと自体が要求されます。
 日本においてNPOの活動は、個々のレベルで盛んになりつつありますが、あるべき社会像の構築やそれに向かっての実質的な手段を持ちえていません。経験を得・訓練をつみ・情報をもった意識あるみんなでそういうビジョンを作り上げていく場を設定すること、そういう役割をになう仕組みが必要になると思います。

(リーダー支援には財政的・情報的・組織的な面があると思います。特に財政的側面は重要ですが、今後はお金を直接支援するのではなく、ファンドレイジングのようにお金を得る手段を研修するなどの方法をとり、リーダーの自活生・自立性を高めることも必要かと思います。)


③ 全体を通しての感想。

 
本当にありがとうございました。今までの人生の中でもかなり充実した時間をもつことができました。「いい経験を積めばいい人間になれる。悪い経験を積めば悪くなる。」と思っていますので、今回は人間性をいろいろ充実させられたと思います。
 この研修の成果は研修生が各地でそれぞれ発揮するでしょう。というような精神論的成果は意味がないと思っていますので、面接でお話ししたとおり、行動で返し、成果を見える形にしていきます。
 リーダー研修という名前の研修は多々ありますが、情報だけでなく、ドイツまで連れってくれて、思考・ふるまい・ファシリテーションなどにわたって、研修させていただける機会はなかなかありません。
 研修をさせていただける自分の境遇をありがたく思い、意識を持って今後の人生を送る必要があるかと思います。
  日頃地域でリーダーとして活躍しているつもりですが、今回の研修を受けさせていただいて、いろいろ本当に勉強になりました。今後どう行動していくかという面、その場でどう対応するかという面、技術的な面、事前に準備をしていく必要性がある面など、多くのことを経験から学べました。リーダーには訓練が必要であるとおもいました。
「規範は他人がつくるもの信念は自分がつくるもの」と勝海舟は言いましたが、今回甘えがちな規範の部分を積極的にぶつけていただけたと思います。大げさですが、この研修の中身には、そういう点には愛を感じました。人材は愛によって育つものだと思います。
 お金の面はすこし面倒みていただきすぎのような気がします。食費などは自己負担とし、ういたお金でもう一名連れっていただけた方が、日本全体としてはよくなるような気がします。
 最後になりましたが、今回ご同行いただいた団長井下さん・事務局の小野さん、コーディネーターの柳沢さん、本当にありがとうございました。あまり僕らに干渉せず、夜も一歩引いて見守っていただいた団長、毎晩のみにつきあっていただいたり、嫌われ役を買うと宣言した小野さん。事件や事故があってもするべき事をきっちり完遂する姿勢。時差ぼけ対策から、組織制度・人材育成・資金調達など様々なことをバランスよく見せていただいたこのツアー内容。プロ意識を感じました。
 本当にありがとうございました。今後もぜひ継続してがんばってください。僕も地域で頑張っていきます。




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