今回研修に参加し、多くの学び多くの感動、そして多くの絆を頂くことができました。この研修で習得できたことこれを多くの人が共有し活用できるよう報告をさせて頂きます。
1. 訪問団体の活動やマネジメントなど、どの部分を日本のボランティアリーダーとして生かせるか?
ドイツ連邦共和国の16の州の中の1つのエリアを視察し、組織図が縦の関係のほか、関係省庁・環境団体といった関連部署団体でも垣根なく横の繋がりにも力をいれて活動をされていることを知った。
ドイツ連邦は法案の成立が国会議員だけで成立できない仕組みを取っていた、この仕組は、理事会と同位に市民からなる会員組織を構築すれば運営にも活用できると感じた。
そして今回対応したローランドホーン氏の情熱を持ったプレゼンテーション。州支部のリーダーとして見習うべき姿がそこにはあった。
ドイツ自然保護連盟(NABU)
この組織においては社会貢献をしたい自発的に市民が参加して構築していく仕組みはそれぞれの支部・団体・会員同士が信頼関係を構築しているからこそ実現できているものであったと感じた。この信頼関係によって市民が主体となる計画性をもったプログラムによって更なる会員を増やしているからこそ、活動が広がっていくのだと感じた。
この信頼関係を構築するには、コミュニケーションを密に取り、活動のファンを増やしていくことが必要不可欠であると感じた。 今後多くの活動団体とのパートナーシップを構築する上で、クオリティの高い住民参加型の活動と継続したコミュニケーションを構築することが大切だと感じた
この組織は中立な政治力を維持するため、運営資金を独自に調達していた。中立的な立場をもち、多くの会員数で構成することが活動に対する資金を確保していることで、立場上の制約を受けること無く、ロビー活動や公聴会での発言力を高めているのだと感じた。
このロビー活動には、運営資金を会費や寄付金で賄い、独立した採算を構築すること、様々なコミュニケーションを通じて、影響力を上げていくこと。会員数を増やし、市民の結束した力のある意見力を持つことであると感じた。
寄付を頂くということは、徹底的な分析による的確なターゲットの設定と顧客に満足を与えられるプログラム作り、継続的なコミュニケーション作りが重要であった。資金の調達は話を追っていくほど、通常の株式形態の会社組織と資金調達に何ら変わりがないこと。
NPOだからといって、資金調達が特別ではなかった。行政補助金や助成金に頼った運営ではなく、個人や企業からの寄付金の割合を増やしていく。また、会員を増やして、会費収入を増やしていく。寄付を募るにあたってはお互いがメリットのある納得できるプランを提供することと、高品質で顧客の満足を得ることが出来るプログラムを提供する必要がある。また、金銭面の支援のほか、労力・物品といった支援も重要な寄付であるという認識をした。こういったものによる支援が可視化できる仕組みを構築していく。この仕組みも全国共通で実施することが出来れば更に活動は活発になると感じている。
自然環境保護センター及びボランティア研修制度
青年自由意志活動法によって制度化されているこの活動は日本にはない仕組みである。ニートひきこもりの就労支援というものではなく、もっと将来に一計を案じている若者たちへの制度として、非常に画期的な制度だと感じた。1年間にわたるこの研修制度は、研修生と受け入れ先のメリットがお互いに見える関係づくりが明確になっていた。研修生の自主的に学ぼうとする姿勢と自身と誇りを持って取り組んでいる姿に一つの打開策を考えることができた。
この研修生制度は、担い手が不足している日本の中山間地域の人々にとっては画期的なものになるのではないかと強く感じた。しかし、資金面の問題などクリアしなければならないものは多いが、この制度を導入できるようなストーリーを形成していく。
このようちえんの一番の要は、自然を活用した保育活動を行なっていただけということではなく、様々な効果を体系的に体得できるようになっていたということ。自然の中で保育をするということ=事故が起こりやすいということではなく、自然の中で自らの限界を知り、その上で活動することが事故を未然に防ぐ考え方にははっとさせられるものがあった。 活動では社会で行われるしくみを幼少期から学んでいたほか、森での活動を通じて環境に対する考え方も醸成し、驚いたのは当たり前ではあるが保護者が保育活動に「参加」をしていたこと。
この森のようちえんの取り組みは森林の多い日本にとって非常に有効であると感じた。さらに、地域方々からパートナーになってもらい、地域市民参加型のアイデアに富んだ幼稚園作りを行うことができる。
この財団はNPOでいう中間組織の業務を行なっていた。環境保全活動についてNABUをはじめとしたそのほか市民団体に対しての資金援助や、助成金に関するコンサルタント業務も行なっていた。ドイツによる助成金の審査基準(活動助成)は日本同様、明確な目的や予算が無ければ承認はしないとのことであった。異なったのは、助成金の募集時期が随時であり、さらに期限も期間無期限という助成が存在したりもした。
助成金は初期段階の活動資金で有効なものでなるが、時間が多くかかるプロジェクトなどは時限による助成金支払いが停止してしまうなどの苦労する面もある、ドイツの例を提案して、時代のニーズに沿ったレギュレーションを低減していけるようにしていく。
キューコブフの自然保護センター
この施設に設置してあるものは非常に工夫がなされていた。水を一から流すことで川の仕組みを理解でき、他の展示物に関しても本物の植物を活用し、小動物の剥製を活用して、立派なミュージアムとして完成していた。
この仕組は様々なところに導入が容易であると感じた、既に存在する動物剥製をつかって展示物を有効にアピールすることもでき。五感を活用して「見せる」ユーモアに富んだ様々な方法がなされていた。また、小学校からのプログラムの依頼は「断らざるを得ない」状況ということは高品質かつ、住民とパートナーシップを組んで実施をされており、相手のニーズを汲み取り、さらに満足の行くプログラムを提供していることが理解できた。
データベースファンドレイジングは日本国内にあるすべての団体に活用していただきたい。シンプルな会員のソートを活用して徹底的な分析を行うことで、寄付者に対するターゲットを絞れることが容易に可能であった。団体運営にとってコスト意識は常に意識しなければならない項目である。コスト感覚を再認識する上でも非常に有効である。
どの訪問先からも非常に手厚いおもてなしを受けた。ほんの数時間の研修のための多くの水分やお菓子など、ミーティングルーム入った瞬間に歓声が聞こえるものもあった。持ち帰って、来客者に対する対応、団体の「ファン」を作る一つの手段としていく。
どの団体も広報活動に非常に力を入れて取り組んでいた。様々な活動プロジェクトリーフレット、名刺型のPR、パートナーシップを組んでいる企業ロゴを加えたレイアウト構成など、ビジュアル的に美しいだけでなく、中の活動計画など、1年前からイベント計画案内としてあげられているものも存在した。「相手にわかりやすく」「相手の目線に立った」広報活動を実施と提言を行なっていく。
2. 研修を通して、日本の環境ボランティアリーダーを支援するために、どのような仕組みが考えられるか?
データベースファンドレイジングによる資金調達であると考える。行政の補助金に依存し、助成金比率が多いようでは業務効率も上がらない。その状態を改善するために団体が持つ事業に関して徹底的な分析を行うことで、本来ターゲットとすべき「顧客」や「課題」が見え、その顧客に対して課題をクリアしたユニークなプログラムを提供することで感動が産まれ、団体とのコミュニケーションが取れる。その後の継続的なコミュニケーションを取ることで信頼関係が構築され、根強いファンを産み出すことが出来る。このファンドレイジングは非常にシンプルな仕組みで構築することが可能であり、仕組みを伝達していくために、様々な地域でのセミナーや講習会の実施を行うことで、様々な団体やボランティアリーダーに対して周知や見識を伝えることもできる、また法人形態に固定せずとも、非常に小さな団体に対してもこの仕組は有効であると考える。草の根で活動する活動団体のファンを大きくするためにも、支援をすべきであると考える。
20代の人材育成について
人材を育て上げる上で今注力しなければならないのは若者の人材育成であると考える。失業率が高い水準で進行している現在、仕事をしたくともできない若者も存在する。ドイツの研修制度を日本の風土に合わせるようにアレンジを行い、行政や企業と連携をして人材育成ができないかと考える。この研修生制度に修了証や公的に証明のできる仕組みを考案し、受講した若者に対しては何らかのメリットが産まれるようなシステムを考案する。
研修先は自然環境保護や自然センターといった社会貢献活動を実施している場所で研修を行うことで、業務支援や労力支援という形を取ることができ、社会貢献に対する考え方を醸成することも可能であると考える。
3. 全体を通しての感想。
この研修を通じて、資金問題、会員、プログラム、運営方法などなど・・・身の回りで発生している様々な問題をドイツに持ち込みました。過密なスケジュールでしたが訪れることができた全ての訪問先の講師の方々からもたらされるたくさんの情報とよって日に日にクリアになっていきました。問題がクリアになればなるほど頭の中を占有し始めた「リーダーとは何か」という自らの課題。この課題を解決すべくを研修生の皆さんとこれでもかというくらいたくさんの議論することが出来ました。
この課題に夜遅くまでお付き合いいただいた小野さんをはじめ、寝食共にした4人の研修生の皆さんに感謝申し上げます。そして、多くの学び・知識・経験・感動を与える場をくださった、セブン-イレブン記念財団の皆さま、講師の方々、私が研修を受ける原資となる寄付をくださった全国の皆さま。私は本当に多くの学びを得ることが出来ました。明日からは私が皆さんに成果を与える番となります。僅かな力ですが、同じ意志を持つ沢山の方々と力をあわせ、大きな風となるよう活動を続けていきます。
ありがとうございました。