ニホンアナグマ(イタチ科)
一瞬だけ見るとその姿はタヌキと間違えてしまいそうだが、目の周りの模様が縦になっており、足の爪が穴を掘るために長い等の違いで区別することができる。主に夜行性の動物で群れて生活するが、オスは単独で動く。えさは雑食で昆虫、カエル、果実などなんでも食べる。
テン(イタチ科)
似た種にイタチがいるが、ひとまわり大きい。夏毛では顔や脚が黒っぽくなり、冬毛では頭部が白くなる。石の上など目立つところにフンをするのは、なわばりを主張するためと思われる。フンを観察すると、夏は昆虫のハネ、秋にはアケビの種などが入っており、季節ごとに食事メニューが変化していることがわかる。
ニホンイノシシ(イノシシ科)
敏感かつ強靭な鼻で、地面を掘り返して地中のミミズや甲虫の幼虫、植物の根などを探して食べる、雑食性。オスには大きなキバがある。子どもは背中に縞模様があり、「ウリ坊」という。飯田高原では昔に比べよく目撃されるようになり、自然学校の田んぼやさとばるの畑にも出没するようになった。
ニホンジカ(シカ科)
ニホンジカの中でも九州に生息するものはキュウシュウジカという亜種に分類されている。草食性で好き嫌いがあり、行き過ぎるとシカの嫌いな植物しか残っていない森になってしまう(森の植生を変えてしまう)。角があるのはオスだけで、毎年春に生え変わる。秋に山の中から聞こえる女性の叫び声のような高い声は、発情したオスの鳴き声。間違えて通報しないようご注意!!
ジネズミ(トガリネズミ科)
大分県レッドデータブック準絶滅危惧種。家屋の近くや田畑の地中や地表にすみ、昆虫などを食べる。ネズミではなくトガリネズミの仲間でモグラに近い種類。夜行性、小型、地中にすむ等から滅多に確認できない。
アカネズミ(ネズミ科)
野ネズミの代表的な種類。森のネズミの最も普遍的な種で、背中が赤みがかった茶色をしている。ジャンプ力が強く、林床をぴょんぴょんとすばしっこく移動する。秋の主食、ドングリを地面に埋めて保存(貯食)をするが、忘れられたものが翌春発芽する可能性があり、森林の更新に一役買っている。
ハタネズミ(ネズミ科)
草原や畑など比較的開けた土地に生息するネズミ。アカネズミなどに対し、ハムスターに近い種類である。アカネズミやヒメネズミに比べ尾が短い。
カヤネズミ(ネズミ科)
日本で一番小さいネズミ。大分県の希少種に指定されているが、九重ふるさと自然学校のある飯田高原では比較的頻繁に見られる。一般的にはススキやヨシのはえた川原などの草地や田んぼなどの湿地に生息し、比較的背の高い草の高い位置に球体の巣をつくり繁殖する。飯田高原では笹薮などでも確認した。
ムササビ(リス科リス亜科)
飛膜を用いて滑空する動物であることは多くの人が知っているであろう有名哺乳類。夜行性で、昼間は樹洞などで休む。この写真の個体は、地元の人が捕えたものだが、何があったのか地上で呆けていたらしく、後ろから近付いて、無造作に手づかみしたとのこと(真似はしないほうが良いと思われる)。この後、何事もなかったかのように野生に帰ったそうだ。
テングコウモリ(ヒナコウモリ科)
突き出た鼻から「テング」という名前がついた。昆虫を食べる小型のコウモリ。超音波を発し、跳ね返ってくる音を受け取ることで、空間をとらえ、飛んでいる昆虫を捕まえる。夜の空を自由自在に飛ぶコウモリは種類が多く、日本では37種が確認されている。(このテングコウモリは人家に入り込み、一時的に保護されたもの) |