ボランティア受入れ

水辺の環境整備【春編】実施しました

2024年4月~5月

自然学校のフィールドには、湧き水を源とする小川が流れています。
「水辺の小道」の観察路で、ボランティアの皆さんと環境整備を行いました。

観察路の木道は定期的に補修はしているものの設置から7年以上たち、基礎の腐食が目立ってきました。
当日は踊り場付近の基礎のやり替え工事を実施。
天板や腐った基礎を取り外し、新たな木材をボルトで固定していきます。
最後に天板をペンキで塗装して完成!
足元しっかりの踊り場に生まれ変わりました。

さて、5月を過ぎると水辺は植物でにぎわいます。
小川では競うようにセリが増えますが、一方で外来種のクレソン(オランダガラシ)も爆発的に増加!
草が増えすぎると水の流れが遮断され、大雨で水量が増加したり、開放水面を好んで産卵するトンボに影響が出やすくなったりするため、クレソンを中心に除去して水面が見えるよう整備しました。

今後はヤゴの羽化が始まり、ゲンゴロウのなかまやガムシ、ミズカマキリ、そしてオニヤンマの縄張り飛行や産卵など、生きものがにぎわいを見せます。

自然学校にご来園の際は、ぜひ「水辺の小道」を訪ねてみてください。
生きものなど詳しい情報はスタッフまで。

体験プログラム

「くじゅうの生きもの観察会 ~春~」を実施しました

4月28日、5月26日

今年度も九重ふるさと自然学校では、くじゅうに棲む四季折々の生きもの観察をテーマに『くじゅうの生きもの観察会』を毎月第4日曜日に実施しています。

それぞれの回の担当スタッフが得意とする生きものを中心に紹介しながら自然学校のフィールド『さとばる』を散策する、そんな観察会です。

2024年、春の観察会は4月28日、5月26日に実施しました。

 

今年度も県内外から生きもの好きの方々が多数ご参加!

池で、田んぼで、草原で、スタッフと一緒に生きものを探しながら散策しました。

春のさとばるを代表するハルリンドウやキスミレなどの草原性植物、田んぼに棲むオタマジャクシや水生昆虫など、どの回も色々な生きものを観察することができました。

 

《春の観察会で観察できた生きもの》

 

《春の観察会の様子》

田んぼにはどんな生きものがいるかな?
カエルの卵を触ってみる体験!
みいれが池ではトンボが飛び交っていました!
チョウを捕まえて観察中
草原を散策しながら生きものさがし
ヨシ笛にも挑戦しました♪

次回からは夏の回。

草原や雑木林の緑がいっそう生き生きとし、多くの昆虫や野花が盛りを迎える季節です。

心地よい飯田高原の風を感じながら、スタッフと一緒に自然散策なんていかがでしょうか?

 

『くじゅうの生きもの観察会~夏の回~』

・6月23日 担当:宮本(初夏の昆虫を中心に観察)

・7月28日 担当:宮本(夏に盛りを迎える昆虫を紹介)

・8月25日 担当:川野(夏と秋の植物を観察しながら自然散策)

※雨天時は中止といたします。

※詳しくはこちらのページをご覧ください。

体験プログラム

「親子で楽しむ☆田植えと初夏の生きものしらべ」を実施しました

2024年6月1日(土)

カッコウやオオヨシキリといった夏鳥がにぎやかに鳴く6月の飯田高原。

今年も親子で楽しみながら学ぶ「田植えと初夏の生きものしらべ」を実施しました。

 

九重ふるさと自然学校では「自然共生型田んぼ」の名の元、お米を育みながら生きものも棲みやすい田んぼづくりをおこなっています。

冬季湛水、不耕起(たがやさない)、無農薬などの方法を今年度も実践中!

また、生きものたちの棲み家として「田んぼビオトープ」も併設しています。

田んぼビオトープ

今回は田んぼの活動1回目ということで、参加者の皆さんと共に田植えをおこないました。

苗を取り、泥に入って1列に並び、紐で位置を決めたら息を合わせて1株ずつ植えていきます。

まずは苗取りから!
慣れない泥に足を取られながら、わくわくドキドキ
並んだら1列ごと丁寧に植えていきます
こちらはお父さんと協力して…
植えるところを定め、真剣なまなざし
泥んこになってもいい笑顔です!

普段の生活ではなかなか体験できない田んぼの中での活動。

慣れない泥にバランスを崩す方が続出しましたがそんなことは物ともせず、皆さん最後まで熱中し無事に植えることができました!

 

午後からの活動は、お待ちかねの田んぼの生きものしらべ。

開始の合図をすると、「待ってました!」と言わんばかりに網やバケツを持って、皆さん畔や田んぼを駆け回ります。

「ガムシやサワガニを捕まえてきて!」と頼むと、すぐさま捕まえてきてくれました!

皆さんの採集力⁉には、スタッフも驚きの連続でした。

親子で一緒に生きものさがし
「あっ!カエルがおった!」
「この辺には何がいるかな~?」
思いのままに皆さん楽しまれていました

そんなにぎやかな採集の時間も終わり、次は観察の時間です。

この時期の田んぼをそのまま表すように、水槽には多くのオタマジャクシが集まりました。

またヒメゲンゴロウ、マメゲンゴロウ、クロズマメゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、シマゲンゴロウと5種類のゲンゴロウも観察することができました。

捕まえた生きものをみんなで観察中
シマゲンゴロウをゲット!

これにて今回の活動は終了。

最後には「生態ピラミッド」を使い、田んぼの生態系について学びました。

生態ピラミッドで学習する様子

環境の変化などにより田んぼを棲み家とする生きものたちが全国的に減少している現在、皆さんにはぜひ「田んぼはお米だけでなく、多くの生きものたちも育んでいること」を心に留めておいて欲しいと思います。

 

次回の活動「稲刈りと秋の生きものしらべ」は約4か月後の10月。

この日植えた苗や採取した生きものたちはどんどん成長していきます。

収穫もまた皆さんと一緒に楽しみたいと思います!

ボランティア受入れ

雑木林で癒しの空間づくりを実施しました

2024年4月~5月

九重ふるさと自然学校の事務所の裏手には、雑木林が広がっています。
2019年に移転して以来なかなか手が回らず、その間に枯木が増え、藪になった場所をボランティアさんと整備しました。
まずは、繁茂した雑木や枯木の伐採、落枝の片付けから始めました。
すると前よりも見通しが良い林に様変わり!雑木林に佇む小屋も素敵に映えます。

アセビを伐採して風通しを良くします
玉切りした枯木や枝は柵として活用
牧草地との境界付近を剪定中!
すっきりと小屋まで見通せる空間に

そして新たな発見もありました。
雑木林と牧草地との境にある生垣を剪定したところ、なんと見事な眺望がお目見え。
東の黒岳から西の涌蓋(わいた)山まで、くじゅう連山が一望できます。
活動日はちょうど新緑がはじまる頃。
空の青と淡く多様な新緑色が広がる、まるで桃源郷のような景色が広がっていました。

そして、環境整備の後は小屋も美しくリニューアル!
外壁の木部が劣化で傷んでいたので、ペンキを塗り直しました。
皆さんとブラシで表面の汚れを取り除いた後、刷毛とローラーでぬりぬり。

木目に沿って刷毛で線を引くように塗ります
協力して塗り上げます。子どもたち大活躍!

職人になった気分でピカピカに仕上げました。
高圧洗浄機で外回りも磨いて、ステキな小屋に生まれ変わりました。

落ち着いた外観にチェンジ
空を見上げると若葉が開きはじめていました

今後もボランティアの皆さんとベンチの製作や環境整備を通じて、
癒しの森として整備していく予定です。
ご来園いただいた皆さんもぜひ訪れてみてください。

ボランティア受入れ

チョウの保全活動【春編】を実施しました

2024年3月~4月

九重ふるさと自然学校では、全国で減少している草原環境に生息するチョウ類の保全活動をボランティアの皆さんと行っています。

草原は春になると毎年野焼きを行います。枯野に火を入れることで草花の新たな芽吹きを促し、また木々の芽を焼き払うことで、草原から森への環境変化を止めることができます。

火入れの様子

しかし、野焼き一辺倒の草原保全だけでは生息が脅かされるチョウもいます。
チョウは種類によって卵や幼虫、蛹、成虫と冬越しの方法が異なるため、卵や幼虫、蛹の状態では野焼きで焼き払われてしまう可能性があるからです。
そのため、野焼きの影響を受けやすいチョウが生息するエリアを保護区に設定し、火入れをせず、草刈りで草原環境を維持しています。
今春は計3回、3箇所の保護区で草刈りと草の持ち出しを行いました。

枯草を刈っていきます
軽トラに何度も積んで草を運び出します
草刈り後
1か月で新緑のじゅうたんに変化

野焼きや草刈りから間もなくして、草原は鮮やかな新緑に包まれます。その頃には、キチョウやツバメシジミ、ギンイチモンジセセリなどが、草原で元気に飛ぶ姿が見られるでしょう!
毎年、そんな光景を想像しながら、ボランティアさんと楽しく活動を続けています。

ツバメシジミ
ギンイチモンジセセリ

5年以上継続してきた活動の結果、数が増えたチョウもおり活動の効果を実感しています。
ぜひ一緒に活動しませんか。
次回の保全活動は6月20日(木)を予定しています。詳細/お申込はこちらから。