変わらぬ飛来


例年、飯田高原では5月10日前後に
カッコウかホトトギスのどちらかの飛来によって
夏鳥が勢ぞろいしていますが、
今年はカッコウの飛来が5月9日、
ホトトギスの飛来が5月14日でした(写真はカッコウ)。
毎年飛来時期はほとんどぶれがなく、
彼らの正確さには驚くばかりです。
役者がそろった飯田高原にぜひいらしてください。(阿部)

カッコウ

ヤマネコノメソウ


風薫る5月。さわやかに晴れる日のお出かけは気持ちいいですね。
でも雨もまた大切。ヤマネコノメソウが上を向いて雨を待っています。
野草の中では目立たない存在ですが、その姿は特徴的で、
小さなおわん型に開いた蒴果(さくか)の中に小さなタネがたくさん入っています。

ヤマネコノメソウ。茶色い粒がタネです。

空から落ちてくる雨粒を受け止め、その衝撃でタネを飛ばそうというのです。
雨のリズムに乗ってタネの旅が始まります。

雨粒が命中?!タネがはじけているのが分かりますか?
ほとんどのタネが旅立ちました。

お出かけ出来ない雨の日には、生きものたちの小さな世界に思いをはせながら、
雨音を楽しんではみてはいかがでしょうか。(川野)

タンポポのタネは冠毛が濡れて飛ぶことができずションボリ。
晴れの日が待ち遠しい!

シイタケと駒打ち


九重町はシイタケ栽培が盛んな地域です。
生シイタケ(原木)では、大分県内の市町村で生産量No.1!
その理由は、九重町はシイタケ栽培に適したクヌギなどの良質な原木がとれるからです。
15年~20年の周期で大きくなったクヌギの林を伐ることで、その後の切株から新たな枝が再生し、数年後には林が蘇ります。
シイタケ栽培のためにこのサイクルを繰り返してきたことで、良好な環境が維持されてきたのです。
必要な分だけ自然を利用し、樹木が持つ回復力を上手に活用した、まさに持続可能な産業ですね。

さて、春はシイタケの「駒打ち作業」のシーズンです。
先日、自然学校では地元の方と協働で駒打ちを行いました。
クヌギにドリルで穴をあけ、そこにシイタケ種菌をハンマーで打ち込んでいきます。

クヌギの原木。冬に伐採しておきます
(右)約20cm間隔で穴をあけていき、(左)種菌を打ち込んでいきます
種菌は耳栓のような形
シイタケは万能キノコ!日光に当てて乾燥させる干しシイタケは長期保存できる保存食に

原木に菌が行き渡り、念願の木の子…シイタケが出るまでは約1年半後の秋。
立派なシイタケの誕生が待ち遠しいです。(指原)

落ち角


先日、来園されたお子さんが草原でシカの落ち角を発見しました。

枝分かれも多く、さらに対で見つかりとても立派です。

チョウの草原に落ちていた角

春先になるとオスのシカは角を落とします。

角は毎年生え代わり、年齢を重ねるごとに枝分かれが増えていくそうです。

枝分かれは最大で3又ということなので、この角の持ち主は立派な大人なのでしょう。

 

昼間は中々見られないシカですが食べ跡やフンなどの痕跡からその息吹を感じることが出来ます。

また雑木林や草原にセンサーカメラを設置すれば、夜の散策路を歩いている様子が映ります。

夜間、カシワの丘の散策路を歩くシカ

今回はシカの角でしたが、園内では様々な動物の痕跡が見つかります。

自然散策をされる際はぜひ痕跡探しにも挑戦ください。

いつも以上に自然散策が楽しくなること間違いなし。(宮本)

ふきのとう


春を代表する山菜のひとつ、ふきのとうを見つけました。

道路脇などにちょこんと芽吹く姿は可愛らしく、春の訪れを感じさせます。

さとばるで見つけた「ふきのとう」

山菜として天ぷらや和え物で食べられますが、私のオススメはふき味噌!

東北では、ふきのとうを「ばっけ」と呼び、ばっけ味噌として親しまれているそうです。

作り方もシンプルで、刻んだものを味噌や砂糖と炒め、和えるだけ。

独特な苦みと香りが味噌とよく合い、ご飯のお供にもってこいです。

 

これから暖かさが増すに連れて、ワラビやフキ、タラの芽などの山菜が芽吹き始めます。

次は何を採ろうか、作ろうか、食べようか。

そう考える時間が楽しい春ならではのひと時です。(宮本)

 

こちらはフキ。
フキとふきのとうは一見別の植物に見えますが、ふきのとうはフキの蕾の呼び名です。