ハンノキ


ハンノキという樹木をご存じですか?川沿いや湿地など湿った場所に生える落葉広葉樹です。
ミドリシジミの幼虫やハムシの仲間などがハンノキの葉っぱを好んで食べることから、たくさんの昆虫を育む樹木だと言えます。

ハンノキ
ミドリシジミ(翅を広げると美しい緑色が現れます)
ルリハムシ(金属のように輝く翅の色)

九重町飯田高原は九州内の少ない生育地の一つです。そこでハンノキを植樹して生きもの豊かな環境を作ろうと、昨秋に種を取り、春に種まきをしました。
5月にやっとかわいい双葉が生えたと思った矢先、その双葉を食べる毛虫が出現しました。小さな小さな葉っぱをわざわざ食べに来たようです。

葉の長さわずか5ミリほどの小さな双葉が…
1枚食べられてしまいました(毛虫にはすぐに退場願いました)

ハンノキの葉、おいしいのでしょう、双葉の頃から狙われています。
成長すると20メートルほどにもなる樹木ですが、成木になれる割合はいったいどのくらいなのでしょうか。

人気者だけに試練も多いハンノキ、無事成長してほしいと願います。

無事に本葉が生えました

子育て


九重ふるさと自然学校事務所前の巣箱にて、
今年もシジュウカラの子育てが行われています。
下の写真は巣にエサを持ち帰った親鳥・・・ではなく、
巣から何かを運び出している親鳥です。
何をくわえているのでしょう?

実はこれ、ヒナの糞です。
巣を清潔に保つため、ヒナが糞をすると親鳥はその都度外に捨てに行くのです。
なかなか立派な大きさの糞ですね。
ヒナは順調に育っているのでしょう。
この調子で無事巣立ってくれることを祈ります。(阿部)
 ※巣箱への不必要な接近はお控え下さい。
  警戒のあまり、子育てを放棄する場合があります。

春のトンボ


気温の上昇とともに虫が増えてきました。
特に夜に車を走らせた後は、ボディやヘッドライト付近にべっとり。
梅雨が近づくにつれ、最近は湿度も上昇傾向。
いよいよ虫たちの季節がやって来ます。

ところで、春に見かけるトンボ、どんなものをイメージしますか。
自然学校では、2種のトンボをよく見かけます。
1つはアサヒナカワトンボ。

エメラルドグリーンのメタリックボディが特徴です。
清流を好むので、自然学校の湧き水が流れ込む小川がすみか。
太陽の光が差すと、ひと際輝きが増してカッコよく見えます。

2つ目はダビドサナエ。

写真はメス。羽化したてのものは、黄色の体色が美しいのが特徴

サナエトンボの仲間は、春の里山を代表するトンボです。
サナエは「早苗」と言い、苗代から田んぼに植え変える頃の稲の苗のことを指します。
この日は食事中のところを発見。
食べるのに夢中だったのか、手づかみで捕まえることができました。
羽化したてで、お腹が減っていたのかもしれませんね。(指原)

自然の恵み


野焼きから1か月以上経過し、飯田高原は春本番を迎えています。
この時期の楽しみの一つが様々な山菜。
先日は山菜の王様とも言われるタラの芽を見つけました。
食べるには少し大きいかなという感もありますが、まだまだいけます。
タラノキが枯れないように注意して、一部の芽だけを美味しくいただきました。
自然の恵みに感謝です。(阿部)

山菜の王様・タラの芽

ジロボウエンゴサク


ジロボウエンゴサクとは?
呪文でもなく、早口言葉でもなく、野草の名前です。
名前を漢字で書くと「次郎坊延胡索」。
小さな野草で、特徴あるピンクのお花を咲かせます。
方言名でスミレを「太郎坊」と呼ぶのに対してこの野草を「次郎坊」と呼んだのが由来なのだそう。
花と花を絡めて引っ張り合い、ちぎれたら負けという子どもの遊び「草相撲」から力士のような名前になったとか。
昔の子どもはなんと贅沢な遊びをしていたのかと驚きつつ、草相撲に夢中になった子どもの頃の記憶がよみがえりました。
皆さんはどんな野草で草相撲を楽しんでいましたか?
*「エンゴサク(延胡索)」とは中国原産の近似種(漢方薬)の名前が由来

花の後ろに突出した部分を花同士からませて、
引っ張り合いっこしたそうです