体験プログラム

8月6日(土)「草原自然観察会 なつの回」を実施しました

2022年8月6日(土)

春の野焼きから4か月。
黒い大地から草の海へと再生した夏の草原で、観察会を行いました。

この時季の草原の魅力は、実に多彩な花たちです。

ツユクサの花は青い染料として有名。指で揉むと簡単に色がでます
「カワラマツバの白い花はお線香の香りがするね」
オミナエシ。秋の七草のひとつですが、夏には咲き始めます
ヨシの葉っぱで草笛。なかなか難しい…

植物の種類が豊かな草原は、虫など他の生きもののすみかや食事の場にもなっています。
特にチョウは種類ごとに幼虫の食べる植物が決まっており、成虫は吸蜜のために花を行き来することで花粉を媒介するなど、植物と密接な関係を持っています。

スジグロシロチョウの幼虫はアブラナ科の植物が好み。
「オスの羽はレモンの香りがするよ。」匂いでメスに求愛します
また、ススキの葉をちまき状に巻いて巣をつくるクモがいます。 日本を代表する毒グモの一種、カバキコマチグモの巣を開いて観察しました。 産卵後、母グモは子グモのために身を捧げ、食べられてしまう習性を持ちます
*このクモの毒は死に至るものではありませんが、噛まれないよう安全に配慮して観察しました

日本の草原は、野焼き等で人間が手を入れなければ、温暖湿潤な気候によって数十年で森へと変化してしまいます。
数百年以上という長い年月をかけ維持された草原で、命を紡いできた生きものたち。
彼らの居場所は草原であり、個々のつながりが豊かな生態系を育んでいます。
次回は10月の秋の回。ぜひ、生きものたちに会いに来てください。