春、夏、秋と続いた草原自然観察会もいよいよ最終回となるふゆの回となりました。
物静かな冬の草原にも、生きものたちはしっかりと息づいています。
ふゆの回はそんな生きものたちの残した痕跡にも目を向けてみました。
最初に出迎えてくれたのは、バードフィーダーにやってきていた小鳥たち。
シジュウカラ、ヤマガラ、ゴジュウカラが入れ替わりで
ヒマワリの種を食べにやって来ました。
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さらにシジュウカラが春に営巣した巣箱の中を観察。
使い終わった巣箱にはシジュウカラの巣がそのまま残されていました。
コケを主な材料として、ふわふわの巣を器用に作っていることがわかりました。
巣箱はこのまま掃除をして、来春また営巣してくれるよう、掛けなおしておきました。
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散策路ではタマバチによるものと思われる虫こぶ、
イノシシが地面を掘り起こした跡、
モグラがトンネル掘りで余った土を地表に押し上げたモグラ塚など、
あちらこちらで生きものの痕跡が見つかります。
テンのものと思われる糞からは、含まれていた種から
この季節のテンがマユミの実を食べているらしいこともわかりました。
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観察会の最後は、モグラ塚を手掛かりにモグラのトンネルの探索に挑戦。
地表からあまり掘り進まなくてもトンネルは見つかりました。
モグラのトンネルは意外に浅いところにあるようです。
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生きものの中には冬眠するものも多く、
冬はどうしても生きものを見かける頻度は下がりますが、
視界が開けた冬の草原は生きものの痕跡を見つけるにはうってつけです。
冬だからこそ見つかる身近な自然に目を向けてみてください。