今年も地域の方々を中心とした野焼き実行委員会によって、
くじゅうに春の訪れを告げる野焼きが行われました。
野焼きはかつて草原での牛の放牧が盛んだった頃、
春先に枯れた草原を焼くことで、病害虫の発生を防ぐとともに、
牛のエサである草の新芽の発育を促すために行われていました。
しかし、放牧の減少や人々のライフスタイルの変化
(生活にカヤなどの草原の植物を利用することが減った。)といった理由で、
いつしか一部の採草地などを除いて野焼きのされない場所が増えてきました。
野焼きには枯れたカヤなどを焼くことで新たな芽吹きを促すと同時に、
環境の樹林化を防ぐ効果があり、
良好な草原・湿原環境の保全のために欠かせない活動です。
草原・湿原が樹林化することが悪いわけではありませんが、
すべての草原・湿原が樹林化してしまっては、
草原を生息地としている動植物はいなくなってしまいます。
多様な生きものが生息するためには多様な環境が必要なのです。
今年は天候に恵まれず、予定日から1か月近く遅れてしまいましたが、
最終的にはすべての野焼きが無事終了し、
芽吹きを促す黒い大地が一面に広がりました。
これからも野焼きが継続的に実施できるよう、
九重ふるさと自然学校もできる限りの協力をしていきたいと思います。