自然共生型田んぼ

生きもののすみやすい環境を創り出す
 ~自然共生型田んぼ①~

現代の田んぼを生きものたちの視点から見た時の問題点vol.1

現代の田んぼは生きものたちにとって
暮らしにくくなってしまっていることが多いのですが、
私たち人間の視点から見ると、そのことになかなか気づきません。
そこで、田んぼに暮らす生きものたちの視点から
現代の田んぼの問題点を見ていきたいと思います。

問題点① 農薬の使用
 農薬は農作業の負担を大きく減らし、生産量も向上させるなど、
 お米の増産に大きく寄与しました。
 今や私たちが飢える心配なく暮らすためには欠かせないと言えるでしょう。
 しかし、農薬は害虫も無害な生きものも無差別に殺してしまいます。
 現代では減農薬の推進や使用量・使用時期の適正化などで
 影響は軽減されていると思われますが、
 自然や生きものにとっては使われないほうが好ましいのは確かでしょう。

問題点② 水路や畔のコンクリート化
 田んぼや用水路にモグラなどが穴をあけ、水漏れを起こすことがあります。
 水漏れ対策には畔や水路のコンクリート化が有効ですが、
 これが生きものの移動を妨げてしまう場合があります。
 例えばアカガエルは足に吸盤がなく、コンクリートの壁は登れません。
 畔がコンクリートだとオタマジャクシからカエルになっても
 田んぼから出られないのです。
 カエルは常に水辺にいると思いがちですが、
 繁殖期以外は森や林で暮らす種も多く、アカガエルもその一つです。
 ずっと田んぼにいるわけにはいかないのです。

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