九重ふるさと自然学校では、地域に残る伝統野菜を普及し継承していくため、九重町の飯田公民館と共催で、「はんだベジたべる」という料理体験会を行っています。
2017年度の第3回は、大分県の地元ゆかりの野菜について造詣が深い大分県豊肥振興局の奈良絵美さんをお招きし、講演会を実施しました。
奈良さんからは、大分の戦国キリシタン大名・大友宗麟がポルトガル船から献上を受けた日本最初のカボチャ「宗麟南瓜(そうりんかぼちゃ)」の里帰りプロジェクトを中心に、大分県で古くから作り続けられてきた地元ゆかりの野菜、果樹等の保護プロジェクトや県内の食文化と共に残されてきた野菜のお話などをいただきました。
地元ゆかりの野菜は、地域単位で現在も食文化と密接につながっているものがある一方で、社会の変化や現代の改良された品種の登場で栽培されなくなり、絶滅寸前になっているものなど、その状況は様々です。将来にわたって保存・継承するには、やはり消費者がいることが重要で、食べること、食べ続けることが食文化の保護や栽培の普及にもつながります。
講演後、九重・飯田高原ゆかりの里芋である“マタグロ”と一般的な里芋とで味比べや、昔から伝わる“むたとうきび”のお茶を飲みながら、飯田の伝統野菜について情報交流を行いました。
参加者の皆さんからは、「いろいろな野菜に物語があるのだと思った」「昔から地域にある野菜の奥深さを知り、なくしてはならないと思った」という感想をいただき、今後の普及・継承活動に向けた実のある時間となりました。