セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

※こちらはアーカイブ記事です。

 ホームへ戻る

 

文字サイズ
活動のご紹介

ドイツ環境街道をゆく 連載-第3回- ドイツ、環境NPOのちから(1)−BUNDの規模−

→バックナンバー

海外研修
BUNDラインラント・ファルツ州支部オフィス マインツにある。

NPO法人設立2年目。会員数約100名、年間予算約300万円。私が代表理事を務めるNPO法人環境創造舎の規模だ。設立初年度の予算が約90万円だったから、それなりに成長していると思う。
会員数約39万人、年間予算約18.6億円(1,332万ユーロ、今後、1ユーロ=140円で換算することにする)。ドイツ最大の環境NPO、BUND(Bund fuer Umwelt und Naturschutz Deutschland、ドイツ環境保護連盟)はこんな規模だ。次元が違う。
ドイツ最大の環境NPOは組織の構造もしっかりしている。連邦レベルBUND e.v.の下に16の州毎に州支部があり、その下に市町村支部、さらには地域グループまである。この研修では、BUNDラインラント・ファルツ州支部を訪問したが、ラインラント・ファルツ州には、34の市町村支部と60の地域グループがある。ちなみに、ラインラント・ファルツ州の会員は約15,000人。次元が違いすぎる。
NPO法人でも代表理事をやっていると、やっぱりお金は気になる。だから、お金の話からはじめよう。BUNDのラインラント・ファルツ州の年間予算は7,500万円(53.4万ユーロ)。その内訳は、継続寄付が52.7%、会費35.1%、一時的な寄付5.5%、プロジェクトに対する州からの助成4.8%、交通違反者等からの罰金1.5%、資料販売0.3%である。
まず面白いのは「寄付」である。寄付だけで、4,500万円も集めていることになる。しかもBUNDの場合、そのほとんどは個人からの寄付である。「企業から縛られたくない」という理由から、意図的に個人からの寄付を重視しているのだ。最近は「活動の趣旨には賛同できるけれど、活動には参加できない」という市民が増えているため、会員となり会費を支払うよりも、寄付をする市民が増えているということだ。それにしても、わが国のNPO運営の実態からすれば、4,500万円の寄付は想像をはるかに超えている。では、なぜ、ドイツでこれほどまでに「寄付」という行為が行われるのか?それは別の機会に紹介するとしよう。
次に面白いのは「交通違反者等からの罰金」である。ドイツでは、裁判所の判断により、交通違反者等の罰金が環境NPOに支払われることがある。BUNDの収入に占める割合としては微々たるものだが、こうした仕組みが存在すること自体がすごい。さすが環境先進国だと思う。
海外研修
BUNDラインラント・ファルツ州支事務局長 マンツ氏

…ん?「微々たるもの」なんて錯覚に陥るが、7,500万円の1.5%は112.5万円。私が所属する環境創造舎の設立初年度の予算を軽く越えるし、非常勤ならスタッフを一人雇えるくらいの額だ。そんな額が、市民が交通違反等をするだけでNPOの収入として懐に入ってくる。
研修中、なぜラインラント・ファルツ州を研修地として選んだか、その説明を聞いた。
「他の州のNPOはもっと大きくて規模が違いすぎるんです。ラインラント・ファルツ州のNPOくらいなら日本のNPOからしても身近かな…と」。




このページの先頭へ
ご利用にあたってプライバシーポリシー
Copyright(C) 2000-2019 Seven-Eleven Foundation All Rights Reserved.