─連載の掲載にあたって─
ドイツでの研修は、私にとって、本当に新鮮で、充実したものでした。帰国後すぐは、「ドイツで見聞きしたこと、考えたことは、絶対に忘れないはず」、そう思っていました。
しかし、人間の記憶とは、悲しいもの。そのときは、手を伸ばせば触れられるほどはっきりとしていた記憶も、時間がたてば、次第にぼんやりとしてきています。「帰国後、ドイツでの経験をどう活かそうか!」と、思いついたアイデア、それを支える情熱も、日々の雑務の中で、積み重ねられた書類の下の方に追いやられつつあります。
記憶が新鮮なうちに、何とか形に残したい。多くの人々とドイツでの経験を共有したい。そうして思いついたのが、この連載でした。数十頁は一度に書けませんが、数頁なら書ける。そして何より、次々と迫る原稿締切が、私のお尻をたたいてくれる、そう考えたのです。
もしかしたら、これらの連載は、皆様の期待に十分応えうるものではないかもしれません。また、細心の注意を払って、メモやテープをおこしていますが、通訳を介したヒアリングという手法上、若干の間違いを含んでいる可能性もあります。
それでも、ドイツでの経験が風化してしまう前に、ドイツで、観て、聴いて、感じ、考えたことを、この場で書き記していきたいと思います。発想し、実現、表現すること、それを支える姿勢と信念。それ自体が、環境ボランティアリーダー・海外研修で得た最大の成果だとも思えるからです。
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ドイツでの研修を終えて約3カ月。セブン-イレブンみどりの基金にこの企画を提案し、協議を重ねて約2カ月。やっと連載が実現できるはこびとなりました。ここにたどり着くまでに尽力頂いた、そしてこれから連載が続く間、尽力頂く、セブン-イレブンみどりの基金事務局の皆様に心からお礼を申し上げます。
そしてドイツでお世話になった多くの方々と、多くの仲間たちへ。
感謝を込めて。
2004/12/15
佐藤剛史(さとうごうし)
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