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NABUのネイチャーセンターのスタッフである彼らも環境ボランティア研修制度を利用している
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ドイツでは、州毎に環境ボランティア研修制度が確立され、機能している。環境ボランティア研修制度とは、16歳から26歳までを対象とし、1年間、環境ボランティア活動に関する実践研修を受け、その間、参加者には研修費(生活費、交通費、等)が支払われるという制度である。 1989年にニーダーザクセン州をはじめとした数州で環境ボランティア研修制度のモデル事業が行われ、その意義や成果に関する学術的な検証が行われた。1993年、連邦は各州に対して、1996年までに環境ボランティア研修制度の確立を目指すようにとする指針が示された。 ラインラント・ファルツ州にも環境ボランティア研修制度が存在するが、他の州とは少しシステムが異なっている。他の州では、州政府の外郭団体が環境ボランティア研修制度の事務局を担っているが、ラインラント・ファルツ州では、NPOの協力で事務局を構成し運営している。これは連邦初で唯一のシステムだ。 その背景は以下のとおりだ。連邦が指針を示した後、他の州が制度の確立を急ぐ中、ラインラント・ファルツ州政府は制度の創設に否定的であった。1994年に6つのNPOが中心となって、環境ボランティア研修制度の確立を求めるロビー活動が行われ、1996年から制度が開始されることになった。ただし、制度の開始が他の州より遅れたので、他の州の事例を徹底的に研究することができた。そこで、ラインラント・ファルツ州では、州政府の外郭団体に事務局を任せることなくNPOの協力で事務局を構成することになった。これによって、制度の自由度、独立性が高められている。 青年の研修受け入れ先は、州内の環境保全型農業の実践農家や環境NPOである。そこでの研修内容は研修受け入れ先の特色が生かされたものとなっている。ビオトープとしての価値が優れているブドウ畑での下草刈りを行ったり、森林の調査や間伐、環境教育、太陽熱温水装置を普及するという再生可能なエネルギーに関する事業、カエルが車にひかれないように保護柵を設けるという動植物の保護活動等である。トータルとして、多様な研修内容が用意されることになる。
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環境ボランティア研修制度を利用しての農業体験
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研修中は、そうした受け入れ先での実践研修だけでなく、研修者は、事務局が企画・運営する5日間のセミナーを5回受講しなければならない。この研修は、講義形式ではなく、ワークショップ形式で、参加者が共に学び合い、セミナー自体を参加者が創りあげていくというプロセスを重視している。参加者は、具体的に現れる成果の中で、自らの役割や貢献を実感できる。その教育的効果は非常に大きいという。 こうしたセミナーは事務局が企画・運営しているので、前述のように、事務局機能を州政府の外郭団体に任せることなく、NPOの協力で担い、その自由度、独立性を高めることが重要なのである。 最も気になるのは、研修参加者に支払われる研修費の額だ。額は、州によって異なり、物価の安い東ドイツでは150EU(21,000円)、物価の高いバイエルン州では550EU(77,000円)、ラインラント・ファルツ州では411EU(57,540円)である。この研修費のほとんどは州が負担し、一部を受け入れ先が負担する。なお、研修参加者は、その間、社会保障費も受け取ることが出来る。それゆえ、研修参加者は、基本的に経済的な負担なく、つまり手出しなく研修を受けることができる。 この環境ボランティア研修制度は、参加者、農家、環境NPO等々から非常に評判がよいということだ。その理由等については、次回、紹介しよう。
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