レインフォレステーションに向かうおもちゃのようなかわいい電車自体が、すでに熱帯雨林に感心を引き込む心にくい演出として生かされている。世界遺産に囲まれたプライベートエリアにある熱帯雨林を利用した観光テーマパークという感じだが、社長のウッドワードさん「ここはフリーな土地だけど、世界遺産と仲良くしたいからね」とむやみな利用や開発を自制する姿勢を持っていた。重戦車のような『アーミーダック』の善し悪しはあるが、ドライバーによるインタープリテーションの巧みさは、遊びのためのテーマパークではない側面を見せていた。「どうやって自然の大切さを伝えていこうとしているのですか?」という私たちの質問に対しても「楽しくさえあれば大切なことも伝わっていく」と笑顔で応える社長の顔に、言葉だけの環境教育にはない深みが感じられた。(伊東さん)
印象的だったのは、スタッフが楽しめなければ客も楽しめないという方針や、国際的にも広告・営業戦略を打ち、観光地としての知名度を高めることにも努力してきたということだ。夢とロマンをカタチにしていく情熱的な姿勢は非常に共感できた。一方、コアラやカンガルーと気軽に触れ合えるコーナーなどもあり、お客は純粋に楽しめるとしても、厳格な環境保護や動物愛護を訴える団体からは批判もあるだろうことは容易に予想できた。しかしこの施設は、まずは人間が環境に対して愛着を持ち、環境保全と経営のバランスを取っているところこそ評価すべきだと思う。単純にこの施設を日本に導入しても受け入れられるとは思わないが、民間企業の活力を活用し、教育的な要素を持った環境保全型の観光開発は現実的な可能性があるのではないかと思う。(石田さん)