カウリはニュージーランド原産の巨木です。現存するものには、直径が5.2m、樹齢2000年というものもあります。カウリは低い位置に生える枝を自らの意思で落としながら成長するため、真っすぐで節の少ない木になります。入植者がその良質の材を得るために、森を次々と伐採し、その跡地を牧場へと変えていったことで、巨木の森は4%まで減ってしまいました。現在では、カウリの伐採は禁止され、代わりに植樹が行われるようになりました。実際にカウリに触れることのできる場所では、根を傷つけないような木道をつくるなどして、手厚く保護しています。
ここカウリミュージアムでは、このようなカウリの歴史を学べるほかに、入植者がカウリの伐採に使った道具やカウリガム(枝を落とした際に、傷口を覆う樹液が固まったもの=琥珀)の展示が行われています。ミュージアムの運営は、カウリガムなど特産物品販売のほかに、コミュニティーからの助成で資金面を賄い、多くのボランティアスタッフが関わることで成り立っています。そのため専従の職員が、そのコーディネートやスキルアップの講習を行っているとのことです。
関わったボランティアが転職する際、推薦状を発行していることから、コミュニティーに根付いた活動が社会的に認知されている現状を学びました。(菅原さん)