セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

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活動のご紹介

環境ボランティアリーダー海外研修

2006年(平成18年)第9回環境ボランティアリーダー海外研修レポート

海外研修レポート 感想その1


日程表 感想 その1 その2
  【1】ドイツ自然保護歴史財団

日本の資料(昭和8年発行)を説明するフローンさん

研修初日、最初の訪問先となるドイツ自然保護ミュージアムは、かつて竜が住んでいたといわれる伝説の場所「ドラヘェンフェルス」という小高い山の上ある。自然保護地域のハイキングコースを散策するにはちょうど良い秋晴れで、ノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州環境及び開発財団のヨハン・クレビュールさんの案内のもと、ドイツ自然保護歴史財団が運営するドイツ自然保護ミュージアムを訪問した。
案内役は、ミュージアムを運営する自然保護歴史財団の学術研究長、Dr.ハンズ・ウェーナー・フローンさん。まず最初に、フローンさんからドイツ自然保護歴史財団の活動やミュージアムのコンセプトについて伺った。
「ドイツ自然保護歴史財団」は、1996年、州や環境保護の財団などの出資によって設立された。自然保護歴史財団の活動は主に三つあり、①自然保護に関するボランティアの情報収集、
自然保護の学術研究、自然保護ミュージアムの運営である。
ドイツの自然保護活動は、1970年代まで行政ではなく主にボランティア活動によって支えられてきた。70年代以降、活動形態がボランティアからプロフェッショナルへと変化している。こうした自然保護活動の歴史について、情報を収集蓄積して、発信していくことがこの財団の大きな役割なのだ。2002年、同財団は1880年代の建物を利用してミュージアムをオープンし、現在、訪問者数は年間35,000〜40,000人程度ある。
専従職員は、フローンさんを含め研究員が2名、そのほかミュージアムの管理者を含めてスタッフが12名。これまでは財団の資本金を基にした利子で運営されてきたが、現在は利息が低く他の財団から支援を受けている。環境保全に関する学術的に情報を最大限収集し発信することで、政策にも与える影響も大きいだろう。(桃井さん)
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  【2】ドイツ自然保護ミュージアム
ドイツ自然保護歴史財団が運営するドイツ自然保護ミュージアムは、自然保護の歴史を様々な視点から紹介する施設である。このミュージアムで興味深かったことの一つが、ここでの展示物が客観的に中立な立場にたって自然保護の歴史を「伝えている」点だ。たとえば、この地域の自然保護活動の背景には、農業開発・経済的発展拡大によって地域振興を必要としている一方で、原生林保護や美しい風景を保全したいという保守的な勢力との対立があって、こうした対立軸を両方の視点から紹介しているのである。施設を訪れた人が、多角的な視点から自然保護の歴史を知ることによって、これからの環境保全のあり方を考えるためのきっかけづくりとなっている。
またもう一点は、このミュージアムの特徴は、自然保護を行ってきた人を中心に紹介している点である。NABUの元になる連邦野鳥保護連盟の女性創設者をはじめ、国内外で活躍した環境保護に貢献した人たちを紹介し、生きた活動を来訪者に伝えている。欧州内でも唯一といわれる自然保護の歴史ミュージアムは、歴史をバランスよく紹介し未来に向けた行動を考えさせる場となっていた。(桃井さん)
左から 自然保護ミュージアム内で説明を受ける / 環境保護活動家のブーツも展示している / ドイツ自然保護ミュージアム
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  【3】 NRW州環境及び開発財団

ヨハン・クレビュール氏
自然保護地域のハイキング
コースを散策
ヨハン・クレビュール氏(同財団環境担当官)
この財団は、州内の様々な環境保全と開発に関わるプロジェクトを財政的に支援している団体である。資金源はサッカーくじである。州の環境保護団体に支援しているので、ほとんどの団体と関係している。
同財団の環境担当官をしているヨハンさんは、団体が支援しているプロジェクトの一つであるミュージアムと自然保護地域になっている団体側のアドバイスをしている。たとえば、団体の目標設定や活動戦略ファンドレイジングの手法などをコンサルタントしたり、専門のアドバイザーの人件費も別に支払っており、またファンドレイザーを育てる奨学金制度も設けているという。
現在はサッカーくじなど賭け事の民営化が欧州全体でトレンドになっているので、今後の事業収益として見込めなくなる可能性もある。しかし、そのような状況がきたときには独自にファンドレイジングをする準備もできているということで、先を見越す先見性は見習いたいものである。(桃井さん)

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  【4】環境ボランテイア研修制度運営事務局
入り口看板 上がNABU(ドイツ自然保護連盟)、下がNAJU(ドイツ自然保護連盟青年部)
ラース女史の熱がこもる解説
1899年、野鳥保護の活動から始まったNABUは、連邦〔1〕、州〔16〕、地域〔1500以上〕(〔 〕は事務局数)の3層構造で成り立つ、歴史ある大きな組織である。NABUのミッションは、国民に対する環境保護の啓発、生物多様性の維持、次世代のための環境を良い状態で残す、生物保護活動のサポート、これら4点である。主な活動としては、絶滅危機に瀕している生物とその空間の保護、野鳥の学術研究、気候温暖化防止、持続可能な環境のためのテーマなどに取り組む。3層構造のなかでも、特に地域の活動に重きを置き、これらを繋げ、サポートするのが上層部の役割である。この組織形態によって,政治的、国際的な取り組みについても活動しやく、また、企業と連携した活動は社会に対する影響も大きい。さらに、会員(会費)獲得のための広報、組織のマーケティングやファンドレイジングが積極的になされている。同形態(3層構造)の青年部(16〜26歳)が組織するNAJUもあり、若手の育成にも努めている。(平山さん)
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  【5】ドイツ環境保護連盟(BUND)マインツ、ビンゲン支部

NABU(ドイツ自然保護連盟)地域事務所

NABUの3層構造の中で、州と地域の間に位置し、主に地域の活動を直接的に支援する「地域事務局」が2006年5月から設置された。この事務局は、地域の活動に関わる会員数の減少や、団体間の競合関係、会員のボランティアに費やす時間の減少、などの問題に対応するために有給職員を1人置く。
より具体的には、NRW州にある3つの地域活動団体に対して、広報の仕方やファンドレージングの講座を開くなど、地域活動が長期的に活動するために必要なスキルを提供する。この他、活動内容の専門性を維持するための支援や州の方針との橋渡し役も行う。さらに会員獲得については、新規会員を増やすアプローチと合わせて、現在活動に参加していない会員に対する働きかけも積極的に行っている。
ここでの有給職員の給与は2年間限定でNABU本部から支払われ、地域事務局は今後も増やす予定である。職員の思いとして、地域の活動を政治的に影響を与える組織体制が必要であり、そのために会員の理解を得ながら顔の見える関係で様々な支援をしていきたい、と語っていました。(平山さん)
左から 施設の説明をする地域事務所職員マヤさん / NABUが保護するビオトープ(湿地) / 熱心にメモを取る参加者
日程表 感想 その1 その2



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