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日本の資料(昭和8年発行)を説明するフローンさん
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研修初日、最初の訪問先となるドイツ自然保護ミュージアムは、かつて竜が住んでいたといわれる伝説の場所「ドラヘェンフェルス」という小高い山の上ある。自然保護地域のハイキングコースを散策するにはちょうど良い秋晴れで、ノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州環境及び開発財団のヨハン・クレビュールさんの案内のもと、ドイツ自然保護歴史財団が運営するドイツ自然保護ミュージアムを訪問した。 案内役は、ミュージアムを運営する自然保護歴史財団の学術研究長、Dr.ハンズ・ウェーナー・フローンさん。まず最初に、フローンさんからドイツ自然保護歴史財団の活動やミュージアムのコンセプトについて伺った。 「ドイツ自然保護歴史財団」は、1996年、州や環境保護の財団などの出資によって設立された。自然保護歴史財団の活動は主に三つあり、①自然保護に関するボランティアの情報収集、②自然保護の学術研究、③自然保護ミュージアムの運営である。 ドイツの自然保護活動は、1970年代まで行政ではなく主にボランティア活動によって支えられてきた。70年代以降、活動形態がボランティアからプロフェッショナルへと変化している。こうした自然保護活動の歴史について、情報を収集蓄積して、発信していくことがこの財団の大きな役割なのだ。2002年、同財団は1880年代の建物を利用してミュージアムをオープンし、現在、訪問者数は年間35,000〜40,000人程度ある。 専従職員は、フローンさんを含め研究員が2名、そのほかミュージアムの管理者を含めてスタッフが12名。これまでは財団の資本金を基にした利子で運営されてきたが、現在は利息が低く他の財団から支援を受けている。環境保全に関する学術的に情報を最大限収集し発信することで、政策にも与える影響も大きいだろう。(桃井さん)
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