セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

※こちらはアーカイブ記事です。

 ホームへ戻る

 

文字サイズ
活動のご紹介

環境ボランティアリーダー海外研修

2012年(平成24年)第15回環境ボランティアリーダー海外研修レポート

海外研修レポート 感想その1


日程表 感想 その1 その2
【1】
10月17日(水)午前 訪問先:ラインランド・ファルツ州 州環境情報センター(LZU) 担当者:ローランド ホーン所長
いつも熱い抗議をするローランド・ホーン氏
ローランド・ホーン氏
 第二次世界大戦後ドイツは日本同様、復興のため産業を重視した政策をとった。1960年代は経済の発展を重視し続け、その結果1971年ライン川の魚の大量死と言う大惨事を引き起こした。住民の声を束ねて下から政治家をうごかし、社会を変えていくというドイツの環境政策の幕開けから、現在ではライン川をバイオモニターにより24時間体制で健全に再生する迄の歴史を伺った。また森林、食、エネルギーに係わるライフスタイルを小さく、身近なものにシフトする教育をすることが環境保護へとつながる事を学んだ。ホーンさんは環境省の大臣直轄の環境情報センターに20年間同じポジションで働いている。また2011年3月以降NPOであるBUNDの代表者が大臣の秘書官として人事がされデモクラシーは進歩しつづけている。 専門家が長いスパンで係われる体制は日本の行政組織にも見習ってほしい。
【POINT】ホットスポットを絞り込む
 ナショナルパークを作る事の意義を理解してもらう為に地域住民と対話を重ねている。住民にとってメリット、デメリットもある中、視点を外からに変える事で、知識として頭で理解させるのではなく、『自分の土地にあるこんなに珍しい赤ブナの森を残したくないのか』と心を打つ事で訴えることは住民のライフスタイルを見直すきっかけとして有効であることがわかった。
(萩野 由紀)
日程表へ


 
【2】
10月17日(水)午後 訪問先:ドイツ自然保護連名ラインランド・ファルツ州支部(NABU) 担当者:教育部門事業担当者 Mr.Olaf Strub(生物学専攻)
NABUの組織構造を聞く参加者
 NABUの歴史として、企業家の奥様であるリナヘンレさんが創設。連邦団体ドイツ内45万人の会員、コオノトリをシンボルの鳥としている。16州のそれぞれの州のNABU支部がある。特徴的なこととして、90%は会費納入のみ、10%ACTIVE会員である。野鳥保護、自然活動を無償でするNGO。政治、宗教とは一線を画していて、職員も政党には所属していない。また自立的な活動を行い、政府から一切お金はもらっていない。いわゆる政府に物申す立場で行動している。
事務所の壁には寄付者のアピールポスターが貼られている
 NABUのミッションとしては、全ての人たちがお互いに協力しあって自然保護の活動する。そして将来のちのちまで人間が生きてゆく自然環境を守り、生物多様性の保全を行う。きれいな空気、水、健全な土地の最高の状態を維持してゆくことが役目だ。NABUの活動として、ビオトープの保護、ナショナルトラスト運動、生態系の復元、太陽光発電、断熱材、ヒーティングの方法、環境保全政治活動 デモ、集会、TVトークショーなど様々なものがある。多くの会員数を持つことこそがパワーとなっている。会費の半分が運営管理費で、財政的にも自律可能な活動を行っている。会員特典としては 年4回の冊子(内8Pは州の情報)、インフォメーション、自然保護センターを無料で使用できる。現在、会員を増やすため、プロに委託し、街で会員を募るということを行っている。
(池田誠)
日程表へ


 
【3】
10月18日(木)午前 訪問先: ヘッセン州環境省 担当者:Dr Hanisch氏(ヘッセン州環境省 エネルギー部門責任者) Mr.Labonte氏(ヘッセン州環境省 ESD部門責任者) Mr.Proth氏(ヘッセン州環境省 気候保護部門責任者)
州環境省の担当者から挨拶
 16連邦州の一つヘッセン州。州南部には経済の中心都市フランクフルトを抱える人口規模第5位の州。その環境保全政策3部門(エネルギー・ESD・気候保護)の各責任者から政策の現状を聞きました。連邦制をしくドイツでは、政府が決定した政策を各州ごと地域にあった政策に変更し実行できるという選択と責任社会が広がっていました。
 3者から異口同音に発せられた言葉で注目したのは「デモクラシー」と「自由意志」。ボトムアッププロセスによる選択の自由と責任を負荷することで成果を生み出すというトリッキーなしかけになっていました。
取り組みの説明には緻密なデータが使用されている
 ドイツ政府は、日本での3.11をきっかけに、3日後脱原発宣言をし、3週間後には、州でエネルギー円卓会議を招集、翌年5月には新たな法律が成立するというスピーディーさで変化に対応出来る体制をつくっていて、この統治体制のあり方をNPOの組織体制にも上手く当てはめ運営のしくみづくりに活かせると思いました。
(園田敬子)
日程表へ


 
【4】
10月18日(木)午後 訪問先:ファンドレイジングアカデミー 担当者:Dr. Karl-Friedrich Rittershofer
ファンドレイジング(資金調達)概論
常にアグレッシブな講義のリッター先生
 ドイツでは、大きな団体は収入が低迷、政府からのお金も減ってきている。増えているのはプロジェクト(動物、花)継続されない寄付だ。会員収入は個人から企業と枠が増えている分、増えている。その中でも遺産相続は注目されている。寄付、財団から援助、政府から、広告、会員費、教会税などがNPO・NGOの財源だ。ドイツでは、寄付4500億円、 3000団体(250はドイツ全体で活動している)。インターナショナルな団体、大きな団体はプロのファンドレイザーを持っている。寄付集めのターゲットとしては、寄付の回数多い高齢者だ。また、寄付を行う分野としては、災害・アフリカ飢餓などには8割、あとは、文化、記念碑、動物保護、そして環境となっている。手法として、圧力ではなく、強制せず、ソフトに、納得させて、信用させて進めるもの。方法やテクニックよりも大切な説得力、人類始まってからお金持ちは貧しい人に寄付している。今、現在、政府のお金が減るということは、他からお金を集めなくてはいけない。ピラミッドにすると、 下 寄付する可能性がある人⇒興味を持っている人⇒実際にしてくれる人⇒継続的寄付者⇒高額寄付者⇒遺産相続 上。ファンドレイザーは、誠意を持って、活動に当たり、人と人とのつながりが大切にし、どれだけ人脈をもっているかが大切な要素である。
(池田誠)
日程表へ


 
【5】
10月19日(金)午前 訪問先:ドイツ環境保護連盟ラインランド・ファルツ州支部(BUND) 講師: Mr.Ullrich(州事務局職員)
ドイツの巨大な環境団体の真髄を事務局より聞く
研修生から日本の活動もプレゼン
 ドイツにおいてNABUと共に、高い専門知識と明確なビジョンを持ち、国内外に大きな影響を及ぼし続けている羨望の団体BUND。その担当者から、なぜBUNDは大規模な会員組織であり続けているのか?という疑問に対して、「政府がすることを見て、理解し、間違っていれば指摘する団体」という明瞭な回答がありました。合意に基づく市民社会をつくるためには、当然の行為として政治の部分まで踏み込むと言い切る姿勢に、責任という意識が伴う組織体であると理解できました。日本のNPOにおいてこのような高い意識をもって活動している団体がどれだけあるだろうか。この視点に気づき一歩踏み出していく事が必要だと感じました。またもう一つ見習うべきは、理事の中にBUNDユース枠が設定されており、組織運営体制の中にきっちり団体の持続可能性への対応がみてとることができました。
(園田敬子)
日程表へ


 
【6】
10月19日(金)午後 訪問先:マインツ市地域の環境活動と環境学習センター 担当者:マルティナ テイペル氏
市との協働事業現場を視察
 マインツ市モンバッハにある34haの保護地域は、砂地にしかはえない植物や希少な動物が生息している地域で、約500年前の自然が残っている公園のような場所です。地域に密着した地元のNPOが行政や5団体から資金援助を受けて、管理しています。青空の下、木道や散策道を歩きながら、マルティナ テイペル氏にお話しを伺いました。NPOと行政との協働で上手くいくポイントは、目指すべきゴールが同じであること、NPOとして重要なことは、行政とコンタクトをとりながら説得というコミュニケーションを図ることだそうです。
市民には誰がどの資金で行っているのか分かりやすい看板で説明
 次に訪問した環境学習センターでは、センターの設立経緯や敷地内で行われているプログラムについての説明を聞きました。センターは、約30年前に閉鎖された採石場の跡地に作られた施設で、ユネスコのESDに基づいて持続可能な食教育というテーマで展示しており、視覚的にもわかりやすく、楽しみながら学べる内容でした。日本との自然観との違いに少し違和感もありましたが、経済、自然、環境保全が一体化している、当時としては先進的な取り組みだったそうです。
(松田直子)

日程表 感想 その1 その2



このページの先頭へ
ご利用にあたってプライバシーポリシー
Copyright(C) 2000-2019 Seven-Eleven Foundation All Rights Reserved.