クジラとイルカが遊ぶ海
小笠原諸島の自然の特徴は、多くの固有な動植物ですが、海の中にも特徴ある生き物たちが棲んでいます。小笠原諸島の海では、3〜5月の始め頃までは、ザトウクジラが繁殖と子育ての為に訪れます。 また、夏から秋頃にはマッコウクジラがよく観察されます。クジラだけでなく、島の周辺の海ではハンドウイルカやハシナガイルカなどが年間を通して見ることができます。他にも乱獲によって減ってしまっているアオウミガメの日本有数の産卵地として知られています。
空飛ぶきつねと夜を彩る夜光キノコ
小笠原諸島には191種の動物が天然記念物として指定されており、自生する植物の約40%は固有種といわれるほど多くの貴重な生き物がいます。唯一のほ乳類であるオガサワラオオコウモリは国の天然記念物となっています。普通のコウモリとの違いは、コウモリが超音波の反射を頼りに飛ぶのに対して、オオコウモリは目を使って飛び、すみかも洞窟などではなく、木にぶら下がって生活しているという点です。果物や花の蜜を食べることから英語ではフルーツバットという別名をもっています。
また、鳥類にはメグロやアカガシラカラスバト、オガサワラノスリなどがいます。固有種の植物は非常に豊富で、ムニンノボタン、アサヒエビネ、ムニンフトモモといった美しい花を咲かせる植物やシマホルトノキ、オガサワラグワ、タチテンノウメ、といった多くの種があります。 固有種以外でも、変わった生き物がいます。グリーンペペ(ヤコウタケ)という夜光キノコは、5月〜11月頃に雨が上がった後の夜、神秘的な光を放ちます。その明るさは近づけた指の指紋が見えるほどです。
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