持ち込まず、持ち出さない
小笠原諸島の自然の変化には、そこに住む人や訪れる人の些細な行動が大きく関わっています。人為的に植物や生き物を不用意に持ち込むことにより、小笠原諸島の島々独自の生態系バランスを破壊してしまう危険性があり、十分な注意が必要になってきています。
さらに、靴に付いている「土」さえも生態系を変えてしまう可能性があることを指摘する学者もいます。土の中に潜む 土壌菌が生態系に影響を与えるというのです。ですから、土の持込みも動植物の持込みと同様、気をつけなければなりません。また、島から島へ移るときにも島固有の生態系が破壊されないように靴についている土を落としていくなどの配慮が必要といいます。
一つの何かが入ることによって何が起こるかわからないという、大変弱く影響を受けやすい生態系こそが小笠原諸島の自然の姿です。新しい種が侵入しては自然に変化をもたらしてきたのは小笠原諸島の歴史そのものですが、今、その変化のスピードは私たち人間の影響でとても速いものになっています。ですから、小笠原諸島のように閉鎖的で独特な生態系を育む自然を行き来するときは、常にその影響を考えて行動することが大事なのです。
進化 |
生物が世代を経るにつれて次第に変化し、元の種との差異が大きくなっていって多様な種を生じていくこと。ビーグル号のガラパゴス諸島探検から帰ったダーウィンが研究を始め、その著書『種の起源』で進化論を体系づけました。
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固有種 |
特定の地域に限定して分布する生物の種のこと。分布地域の大きさはさまざまですが、分布の最大は一大陸とされています。また、ある地域の固有種の割合を固有率といい、その地域の地理的生態的な隔離の度合を表します。小笠原諸島のような大陸から離れた島は固有率が高くなります。
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移入種 |
もともとその地域になく、人為的な原因で定着した動植物。
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食害 |
動物や害虫によって植物が食い荒らされること。
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土壌菌 |
土の中に生育する細菌で、物質の分解に大きく関与しています。その中でも菌根菌は植物の根と共生関係にあり、植物の生育に関わってきています。
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小笠原野生生物研究会 |
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小笠原海洋センター |
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東京都小笠原支庁土木課自然公園係 |
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東京都小笠原支庁産業課亜熱帯農業センター |
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小笠原ホエールウォッチング協会 |
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小笠原野生生物研究会 |
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東京都小笠原支庁土木課自然公園係 |
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