島人(しまぴとぅ)にとって大切なもの
西表島が属する竹富町は、民俗芸能の宝庫といわれています。たくさんの伝統芸能や史跡建造物、動植物などの自然が、重要な文化財に指定されており、島の人々の手によりその多くが護り受け継がれています。
中でも特に有名なものとして、国の重要無形民俗文化財に指定されている、「西表島の節祭(祖内・干立)」があります。一年の初めにミリク世(豊かな世)をもたらす神様を海の彼方よりお迎えし、集落の平穏と人々の健康を祈願する、300年以上前から続く神行事です。島人にとって節祭は、神行事として昔から特別なもので、学校はもちろん休みとなり、老いも若きも、集落の島民すべてが参加します。
これらの多くが、島の雄大な自然に密接に関わっています。古くから、自然に寄り添うようにその恵みを享受し、自然に宿る神々を信仰しながら、自然と共存してきたのが島人であり、これら祭事や民俗芸能は、その暮らしの中に現在もなお息づいています。1975年(昭和50年)から西表島の自然・文化保全とそれらを活かした観光について働きかけを行ってこられた、西表島エコツーツーリズム協会会長の石垣さんは「西表島は島のいたるところに神様が座っておられ、豊かな自然と人々の生活を守っています。神様と自然と人の間の信頼関係を重んじることは、これまでもそうであったように、島に生き島を守る私たちにとって何よりも大切なことです。」と強調すると共に、現在の自然と人間の密接な関わりが寸断された日本そして世界の情況を危惧されています。
島唄に込められたメッセージ 西表島に伝わる代表的な唄に「井戸端(カーラヌバタ)サヌアブダーマ」という唄があります。島と共に生きる人々の長寿を、島に生きる生き物に託して唄ったもので、島人と自然の関係を垣間見ることができます。
サンゴ礁に彩られた亜熱帯の風光と、おおらかで真摯な島人たちとの出会い、そして神話の昔から受け継がれてきた貴重な文化遺産。西表国立公園を包む、そんな悠久の時を生きる人と風物の中に、これからの自然と人間のあるべき姿、そして関わり方に関するいい知恵がそっと隠されているようです。
白化現象 |
地球温暖化の影響などで、海水の温度が30度を超える高温になると、サンゴに共生して栄養を与えているプランクトンの仲間である褐虫藻(かっちゅうそう)が、高温などのストレスでサンゴから離れてしまい、サンゴが栄養不足で色素を失った結果、サンゴが白くなってしまう現象です。残ったサンゴは死ぬこともありますが、再び水温が下がれば褐虫藻が付着して再生回復します。
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環境省自然環境局 西表自然保護官事務所 |
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西表マヤー小探偵団 |
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竹富町立 白浜小中学校 |
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環境省自然環境局 西表自然保護官事務所
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竹富町立 白浜小中学校
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「西表島エコツーリズム・ガイドブック ヤマナ・カーラ・スナ・ピトゥ」 (西表島エコツーリズム協会 1994)
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