自然体験と国立公園の利用 根子岳(2,128m)と四阿山(あずまやさん、2,354m)の山麓に位置する菅平高原は、真夏でも28℃を超えない恵まれた気候のため、ラグビーやテニスなどの合宿地として有名です。また、この独特の気候は、カラフトイバラやクロミサンザシ(エゾサンザシ)といった本州では菅平などいくつかの地域に稀にしかない「氷河期の生き残り」を育んできました。 |
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この菅平高原を拠点に「NPO法人やまぼうし自然学校」は、森林保全活動や環境学習活動を行っています。主な活動は荒廃する森林を守るために森づくりのボランティア活動やインタープリター(自然解説員)の育成、間伐材を活用したクラフト教室などです。最近では修学旅行や林間学校に自然体験や環境学習を取り入れる学校へのサポート活動も増えています。
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長野市の水道水源にもなっている野尻湖では、ヨット、カヌー、ウインドサーフィンなどのウォータースポーツが盛んです。 ここでも自然体験活動として、野尻湖カヌースクールが開催されています。カヌーは、動力を一切使わず自分ひとりの力だけが頼りです。水にふれ、風を感じることで自然と一体になることができます。新鮮な体験で子どもたちの目はキラキラと輝くほど変化が感じられるそうです。
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また、草津温泉の中沢ヴィレッジでは観光客や地元住民に地域が育んできた自然や文化のすばらしさに気づいて欲しいと早朝と午後の毎日2回、自然ガイドツアーを行っています。動植物にふれ、匂いをかぎ、音を聞くことで自然を大切に思う心を育てることが目標です。さらに、志賀高原自然保護センターや草津白根美化センターなど各地の施設でも地元ボランティアと専門家、行政などが協力して自然観察会を実施しています。 |
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これからの利用 上信越高原国立は、高山や湖沼、湿原に代表されるように非常にデリケートな自然が多く、外来種の移入や湿原の富栄養化といった問題が懸念されています。
また、長野県を中心とする地域は、長野オリンピックの際に開発か保護かで大論争が起こりました。そして、現在は、土地所有者やホテル、スキー場などの観光施設が一体となり、自然の過度な利用を控え、自然を生かした観光や自然体験の場として活用しようとしています。
これからの利用は、観光と自然が両立するようなものが望まれます。国立公園として指定されている自然の持つ意味を考え、将来のために、その保全が私たちの重要な責務であることを忘れてはなりません。
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財団法人自然公園財団草津支部 |
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環境省自然環境局志賀高原自然保護官事務所 |
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環境省自然環境局戸隠自然保護官事務所 |
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