礼文島は約81平方kmの大きさで、多くの高山植物が咲くことで知られています。礼文島は最も高い場所が礼文岳で標高490mですが、緯度が高いため本州の北アルプスでは1,500m以上の高山帯に咲く高山植物が海抜0mから自生しています。例えば、レブンアツモリソウといった礼文島にのみ生息する固有種をはじめ、200種以上の高山植物が生息しており、5月から8月に咲き誇る花の様子は、まさに「花の浮島」という言葉がぴったりです。
サロベツ原野は、東西約8km、南北約27kmにわたる利尻島・礼文島対岸の北海道側に広がる面積20,000haの低地湿原です。その約70%を占める14,600haが泥炭地で5月から8月にかけて100種類以上の花が咲き乱れるサロベツ原生花園があります。さまざまな景観を見せるこの公園には年間245万人もの人々が訪れています。
利尻島と礼文島は地理的近さや豊かな高山植物から兄弟のような地域である印象を受けますが、その生成は全く異なっています。礼文島が3000万年前の古い地形が地殻変動によって隆起して出来ているのに対し、利尻島は、島の上に火山が乗っているという比喩があるように、海底火山の噴火によってできた古い利尻島の上に利尻山が噴火して現在の島が出来上がっています。1万年ぐらい前に利尻島の噴火活動があって、今の利尻山が出来上がりました。
この地域のシンボルともいえる利尻山とその周囲の自然を見ていきましょう。
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