一夜のうちに海面が見えなくなってしまうほど激しい勢いで一気に浜辺に押し寄せる流氷。海も山もまちも全てが真っ白に雪化粧をして、ひっそりと佇む知床の大自然。厳冬の知床は、とても生き物の棲むところではないほど、全生命が凍りついてしまう場所であるような印象を与えます。
ところが、実際に知床を訪れると、間近に現れるエゾシカの群れや、灰色の大空を力強く羽ばたくオオワシやオジロワシたちの姿に驚きます。凍りついた海の中では、普段見かけることがない多種多様な生き物が泳いでいます。きっと、冬の知床は人が手を触れることのできない空間がいつもより増す分、野生の息遣いで一面満たされているのかも知れません。
この氷と雪だけの静寂な世界に、生命をただ一点でも発見するとき、その知床の冷たく凍りついた風景は一気に体温を感じる暖かい風景に変わります。
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指定日 |
:1964年 (昭和39年) 6月1日 |
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面積 |
:38,636ha (2014年3月31日現在) |
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年間利用者数 |
:180万人(2012年度) |
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関係都道府県 |
:北海道 |
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掲載記事は2001年 (平成13年) 2月取材当時のものです |
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