本当に残念!と、思っているうちにロープウエーは火口東駅に到着。ここからいよいよ徒歩で中岳、高岳に登ります。舗装された遊歩道を15分ほど歩くと、火口東展望所に到着。ここでも霧が晴れず、中岳の火口もぼんやりとしか見えません。
ただ、ロープウエー係の方の「昼ころには晴れるだろう」という言葉を信じ、気を取り直して登山道に進みました。さすがに火山だけあって、岩石が多くて足場が悪く、土も真っ赤です。
そして約30分、中岳の山頂に何とか登りつきました。小休止がてら、後ろを振り返ってみてビックリ。霧が晴れて、中岳火口がまるでクレーターのように見えるではありませんか。その月世界のような景観に、しばし呆然としました。
聞けば、噴火口のあたりは怪獣映画『空の大怪獣ラドン』の舞台となり、黒沢明監督の『乱』のロケ地にもなったそうです。確かに荒涼とした風景は、ドラマの舞台には打ってつけのようです。
火口の景観を存分に堪能し、中岳を出発。約30分で2つのピークを越え、徐々に高度を上げていくと最高峰の高岳に到着です。標高1592m、地元の人はこの数字を、熊本の旧国名「肥後の国(ひごのくに)」と語呂合わせで覚えているようです。
山頂からは阿蘇の外輪山はもちろん、遠く雲仙までが見渡せ、360度の大パノラマが楽しめるようですが、この日は霧が出たり晴れたりで展望はあまりよくありませんでした。ただし、昼食を取りながら山頂で2時間ばかり粘り、霧の晴れ間に五岳の一つ根子岳や外輪山を見ることができました。この後、再び中岳に戻り、約1時間かけて中岳火口を半周するように尾根を歩き、火口の西側に下山しました。
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