セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

※こちらはアーカイブ記事です。

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日本の国立公園
火と水によって生み出された巨大な“鍋”カルデラ 阿蘇くじゅう国立公園
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九州を代表し、熊本のシンボルといえる山「阿蘇山」。カルデラ型活火山としても知られ、その規模は世界最大級です。ところが、地図を広げて、いくら探してみても「阿蘇山」という名の「山」は見つかりません。それもそのハズ「阿蘇山」とは、阿蘇のカルデラと周辺を囲む外輪山と中央火口丘群の総称、つまり地域としての名前なのです。

今回は中央火口丘群の17の火山のなかでも代表的な中岳と高岳に登ってみました。未だ活発な火山活動を行っている中岳と、最高峰の高岳は、阿蘇五岳のなかでも観光や登山に訪れる人の多い山です。

ロープウエーを利用して阿蘇に登る
阿蘇山にかかるロープウエーには東側の「仙酔峡ロープウエー」と西側の「阿蘇山ロープウエー」の2本があります。今回は東の仙酔峡側からアプローチしてみました。朝9時25分、始発のロープウエーが動き始めました。運行距離は約1.5km、所要時間およそ9分です。眼下には仙酔峡の自然が広がり、奥には阿蘇の外輪山と草原、さらに向こうには九重の山々が連なっている。そんな景色を楽しめるハズだったのですが……。残念ながら、当日は一面の霧でほとんど何も見えませんでした。

仙酔峡 中岳までの道。岩石も多く、土も真っ赤。

基礎データ
地図
指定日
:1934年 (昭和9年) 12月4日
面積
:72,678ha (2014年3月31日現在)
年間利用者数
:2,121万人(2012年度)
関係都道府県
:熊本、大分
掲載記事は2000年 (平成12年) 10月取材当時のものです
もくじ

本当に残念!と、思っているうちにロープウエーは火口東駅に到着。ここからいよいよ徒歩で中岳、高岳に登ります。舗装された遊歩道を15分ほど歩くと、火口東展望所に到着。ここでも霧が晴れず、中岳の火口もぼんやりとしか見えません。

ただ、ロープウエー係の方の「昼ころには晴れるだろう」という言葉を信じ、気を取り直して登山道に進みました。さすがに火山だけあって、岩石が多くて足場が悪く、土も真っ赤です。

月面クレーターのような中岳火口 そして約30分、中岳の山頂に何とか登りつきました。小休止がてら、後ろを振り返ってみてビックリ。霧が晴れて、中岳火口がまるでクレーターのように見えるではありませんか。その月世界のような景観に、しばし呆然としました。

聞けば、噴火口のあたりは怪獣映画『空の大怪獣ラドン』の舞台となり、黒沢明監督の『乱』のロケ地にもなったそうです。確かに荒涼とした風景は、ドラマの舞台には打ってつけのようです。

火口の景観を存分に堪能し、中岳を出発。約30分で2つのピークを越え、徐々に高度を上げていくと最高峰の高岳に到着です。標高1592m、地元の人はこの数字を、熊本の旧国名「肥後の国(ひごのくに)」と語呂合わせで覚えているようです。

山頂からは阿蘇の外輪山はもちろん、遠く雲仙までが見渡せ、360度の大パノラマが楽しめるようですが、この日は霧が出たり晴れたりで展望はあまりよくありませんでした。ただし、昼食を取りながら山頂で2時間ばかり粘り、霧の晴れ間に五岳の一つ根子岳や外輪山を見ることができました。この後、再び中岳に戻り、約1時間かけて中岳火口を半周するように尾根を歩き、火口の西側に下山しました。
高岳(標高1592m) 根子岳(標高1408m)

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