セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

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日本の国立公園
山男と可憐な花を抱く氷河の奇跡 中部山岳国立公園
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山々の声に耳を傾けて

5月栂池高原ではミズバショウが花開く山国に生きる人々は昔から、北アルプスの山肌に現れる雪形(ゆきがた)を見て春の訪れを知りました。雪形とは、気温の上昇で雪が解けて浮かび上がる岩肌の模様や残雪の模様のことです。年によって気温に変動のあるこの地域に生きる人々は、雪形の出現を目安に種まきの時期を判断しました。今は観光客の目も楽しませてくれる雪形ですが、昔は自然と密接に生きてきた人々の生活の知恵に基づいた春を告げる使者だったのです。

80年を超える年月を北アルプスの山々に抱かれる地で暮らすおばあさんは人々がこぞって訪れる山々の魅力がわからなかったといいます。しかしそんなおばあさんも、代掻き馬が現れて春を知り、山の麓が秋の紅葉に色付く一方で尾根が雪を湛え始める頃が好きだといいます。山男たちもそれぞれ秘密の場所をもち、四季折々の楽しみを持っています。

山の表情や生命の営みは一刻一刻とその姿を変えます。待ちわびた春の光をいっせいに浴びて、アルプスの山々は長い冬の眠りから目を覚まします。今年も多くの人々がそれぞれの思いを胸にこの地を訪れることでしょう。移り行く季節のなか、今年この山々は一体どんな表情を見せてくれるでしょうか。


協力
財団法人自然公園美化管理財団上高地支部
白馬北小学校
長野県北安曇郡白馬村
写真協力
内藤康介
松本正信

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