セブン-イレブン みどりの基金 一般財団法人セブン-イレブン記念財団

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日本の国立公園
光と風と水を浴びて輝く・水と森の島 屋久島国立公園
ページ|1234
世界遺産の島に住む人々の暮らしと環境保全
滝壷で遊ぶ地元の小学生
一段の落差で一気に流れ落ちる「大川の滝」
屋久島には、豊かな水や多様な動植物相に代表される優れた自然が残されているだけではなく、その豊かさと厳しさを併せ持った大自然を生存の場とし、また自然との共存共生の道を探り続けてきた独自の生活文化が、今なお息づいています。屋久島には、13,932人(2001年(平成13年)3月現在)の島民が暮らしています。1560年(永禄3年)に遡る屋久杉伐採の歴史からも分かる通り、「自然保護か開発か(自然か生活か)?」と言った二極の図式では展望を開くことができないことを、島の人々は日々の暮らしの中から体得し、知恵と節度を持って自然との関わり方を確立してきました。

そこには、単に自然を守るという狭い意味での「自然保護」の概念を超越し、人々の存在と繁栄を前提に、人と自然の関わり(=「環境」)の中から、共生の将来を展望しようという「環境保全」に対する強い意志を感じることができます。海と山の狭間に生きていた島の人々にとって、自然を守ることは決して特別なことではなく、むしろ日々の暮らしの一部として深くその精神に根付いていることなのかもしれません。 島の人々は私達に、世界遺産の島・屋久島らしい人と自然との付き合い方を教えてくれています。

屋久島を訪れるときには
安房川流域のうっそうとした照葉樹林世界遺産に登録されて以来、屋久島では、銘柄品のポンカン、タンカンを生み出す農業、トビウオやゴマサバの漁業、そして水に恵まれた屋久島らしく水力発電を背景にした電気化学工業などに加え、観光が地元を支える産業の一つとして確立されつつあります。

中でも、日本では未だ珍しいエコツアー企画が近年増えつつあるといいます。縄文杉を見ること、ただそれだけを目的に、険しい足元だけを見てひたすら森を一列になって歩くのでは、屋久島の魅力を前にあまりにももったいないことです。屋久島の全てを知り尽くした地元の方々によって生きた言葉で語られる、屋久島の自然資源と、その中で生活する人々と自然との関わりから生まれた伝統・文化、暮らしの知恵、そして歴史的背景…、それら様々な角度から屋久島の側面に触れ、そして学ぶのも楽しいものです。また、環境に対する影響を最小限に留め、且つその収益が地域の環境保護のために貢献するような旅を心掛けるのも、世界遺産の島に入る最低限のルールかもしれません。

縄文杉だけではない、水と森の島・屋久島全体の物語を全身で感じる旅に出かけてみませんか。


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