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なかでも野山北・六道山公園は面積180haと、都立公園では最大の広さを誇る。江戸時代の農家を復元した「里山民家」を、田んぼや雑木林が取り囲む。落ち葉を堆肥にし、薪を燃料にした、里山での持続可能な暮らし方を次世代へ伝える活動が行われている。多くのボランティアにより雑木林が手入れされ、田んぼでは実際に米をつくっている。都内では唯一、最大級の里山体験エリアなのだ。
樹林地管理や施設維持管理、植生保全が公園管理のハードとすれば、birthが担当するのはソフト面、つまり里山の魅力啓発、協働によるパークマネジメント、レンジャー事業、イベント・講習会の企画といった部分である。 田んぼ体験、春・秋まつり、収穫祭、里山スローライフ講座、里山ナチュラリスト講座、藁細工教室、てくてく自然観察ウォーキングなど、 birthが打ち出してきたイベント・講習会・学習会にはボランティアの力が欠かせないが、じつは、こうした催し物はボランティアを発掘するための願ってもない場でもある。
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「イベントをきっかけに、里山に興味を持った方々が、次は講習会に参加し、学んだことを活かす場としてボランティアに登録するといった流れができています。ですから、イベントの参加者がいつの間にかボランティア側に回っているケースがよくあります」
野山北・六道山公園の登録ボランティア数は、06年度の68人から10年度は310人に増え、ボランティア活動の年間参加延べ人数は、05年度の976人から10年度は6617人と、じつに7倍近くにはね上がった。ボランティアの年齢も多世代にわたり、ベテランのボランティアが初心者のボランティアを教育する理想的な状況が生まれている。
「公園の管理運営は、いままでは行政が整備して市民が利用するという一方通行の関係でした。しかしこれからは、地域の財産として、公園に関わるすべての人々が、公園づくりを考え実践する時代です」
佐藤さんたちは、ボランティアはもちろん、スタッフ、公園利用者、自治体、地域住民、専門家などからさまざまな意見を吸い上げながら、実現したい公園の理想像を探ってきた。構想が固まれば、アイディアを絵で具現化する。
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