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「無償でも森に入りたい都市住民がいることに目を開かれ、それならば彼らと、森を手入れできずに困っている山林所有者との橋渡し役ができないかと思い立ったんです。当時、すでに林業不況で、放置林の問題が深刻化していましたから」
山本さんは当初、仕事上の企画の一つとして、森林ボランティアの構想を会社に提案したが、まったく相手にされなかったという。私企業の一員としての活動に限界を感じ、20年勤めた会社を退職。大阪に新しい森林ボランティア団体を立ち上げるべく、志を同じくする仲間と2人で準備を進めた。そして97年、“森づくり・人づくり” “月に一度は山仕事”をキャッチフレーズに、任意団体の「日本森林ボランティア協会」を設立した。
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活動の二本柱は設立時から変わらない。一つは一般市民に参加を呼びかけ、手入れがされていない森林の再生を目指す森林ボランティア活動。もう一つは将来の指導者を育てる、森林ボランティアリーダー養成講座「森林大学」の開講である。
「森林大学の3期目に、某全国紙の記者の方が受講され、記事に書いて下さったおかげで、当会の知名度はいっきに上がりました。別の記事を見て、府内の林業家の方がわざわざ訪ねてこられ、それがきっかけで、活動地を提供されたこともあります。出会いに恵まれて、ここまで来られました」と山本さんは振り返る。
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