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ホタルの会では、2カ月に1回、市内の川掃除をおこなっている。川の汚れ具合の情報を持ち寄って、そのつど清掃場所を決めるそうだ。
伊良林小学校でも、ホタルの会と協力して、学校横を流れる中島川の清掃に取り組んでいる。中島川は、御手水川の下流にあたる川だ。
また、毎年5、6年生からホタル委員が決まり、ホタルの飼育と放流も行っている。5月にホタルを採集して産卵させ、孵化した幼虫には体とほぼ同じ大きさのカワニナを与えて育てていく。カワニナは近くの川で捕るが、ホタルが翌年の3月にさなぎになるまで採集をつづけるのは大変な仕事だ。
学校には「ホタル川」と呼ばれる人工の小川が流れ、中島川へと注いでいる。ここでは採ったカワニナの養殖や、育てたホタルの放流が行われる。水道水では幼虫が育たないため、流れる水はポンプで汲み上げた井戸水だ。冨工さんはこれらの活動の音頭を取りながら、毎年3年生の環境教育も担当している。
「私は76歳ですが、この年で小学生と手をつなげるなんて、本当に嬉しいことです。ホタルを通して地元の人たちとの交流も増え、こうしたつながりが、長年の活動を支えてくれたのだと感じています」
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シーズンになると、市役所にはホタルの発生地とその数を知らせる「ホタル情報」が掲示される。長崎新聞でも同じ情報を掲載してくれるため、地元の人々はその情報を元に三々五々と集まってくる。
しかし、会の発足当初は役所の理解が得られず苦労したという。その対応に手応えが感じられるようになったのは、ホタルの自然発生が見られるようになった10年目ごろからだ。 |
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ホタルが住めるふるさとの川を取り戻すため、川掃除や山への植樹などに住民みんなで取り組んでいる。下は伊良林小学校のホタル委員会による中島川の水質検査 |
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