「さまざまな人たちと一緒に活動するようになって、自分自身も視野が大きく広がった」と木村さんはいう。
「それまで、琵琶湖で釣りをしているとき、釣り人以外の方の視点がわかりづらかったのですが、交流するうち、琵琶湖にかかわる多様な方々のの想いが見えてくるようになりました。たとえば、船を走らせていても、あそこでバードウォッチングをしている人の邪魔をしてはいけない……など。琵琶湖を大事に思っているのはみんな同じだと実感することができた。これは琵琶湖がみんなをつないでくれた結果だと思います」
水辺で長い時間を過ごす釣り人は、水辺に対するセンサーの感度が高い。琵琶湖で釣り人ができることはまだまだあると木村さんは考えている。今後は清掃だけでなく、湖畔の環境をよくする活動に手を広げていくつもりだ。
その一つが、「滋賀セブンの森」づくりだ。昨年11月、会は、滋賀県、守山市、セブン-イレブン記念財団と4者連携協定を結び、琵琶湖を取り巻く環境を少しでも良い状態で引き継ぐために10年間ともに活動することを決めた。第1回の活動には総勢350人が参加して清掃に汗を流し、今年6月の第2回活動は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため小規模にとどめたものの、清掃のあとに「水辺の小さな自然再生」を試みた。 |