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きたネットから次の理事長就任を打診されたのは、洞爺湖サミットの翌年早々のことだった。
「私は環境活動にはズブの素人でしたが、組織のマネジメントにはいささかの経験があるので、その辺を買われたのだと思って、引き受けることにしました」
理事長に就任して、市民活動の世界の常識が、慣れ親しんだビジネスの世界とはまったく違うことに驚かされた。
「企業と市民活動では、信じる神様が違うくらいの価値観の違いを感じました。たとえば、会議の開始時刻一つとっても、企業ならば1分の遅れも考えられない。市民活動のほうは1時間遅れても許され、そのかわり延々といつまでもやっている。一事が万事その調子です。たしかに、市民活動は別の本業を持ちながらやっている人が多いので、そのユルさも仕方ない面がある。両方の価値観を理解しないと、企業とNPO、NGOがコラボレーションするのは難しい」
その意味で、こだわっているのは、市民活動ではあまり聞かない「中期計画」だ。単年度の計画とは別に、向こう3年先、5年先の目標を設定すれば、そこに到達するために何が必要かが見えてくる。
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「北の生物多様性を守るために」というテーマでおこなわれた「きたネットフォーラム2016」であいさつする秋山理事長
きたネットが毎年おこなう市民活動助成セミナー。中間支援組織にとって、市民に助成制度を紹介する重要なイベントだ
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