「団体名だけでは、何をしている団体なのかわかりにくいようにしています。なぜなら、環境という言葉がつくだけで、関心の高い人たちのコミュニティに見えてしまうからです」
草野さんは、「どうしてそんなに意欲的な若者が集まってきているのか?」とたびたび寄せられる質問に対してこう答える。さらに、「最初から意欲的な若者は本当にごく一部で、活躍しているメンバーの多くは、なにげなくふらっと活動に参加し、2年、3年と活動するうちに、変化していきます。その結果、意欲的な若者が多くいるように見えているだけです」とも答えている。団体設立から18年目を迎え、いまや環境問題以外にも、防災から教育など北海道内のさまざまな課題の解決に向けて、多くの若者が活動するようになったのだ。
そのような団体を作り上げてきたのは、草野さん自身の体験が根本にあった。環境問題に関心を持ち始めたのは高校生のころ。およそ20年前のことだ。もともと環境のことは、知ってはいたが、自分の生活とは関係のない話だと思っていたため、友人につられてごみをポイ捨てするような高校生だった。しかしあるとき、野生生物がポイ捨てされたビニール袋を食べて傷ついているということを知り、ショックを受ける。動物が好きで将来漠然と動物園で働けたらいいなと考えていた自分が、知らず知らずのうちに生き物を傷つけていたことに気づいたのだ。さらに1997年には京都議定書が策定されるなど、日本社会において環境問題に対する機運が高まっていったことも後押しし、草野さんは環境問題、とりわけごみ問題について真剣に考えるようになっていった。大学では環境について学ぼうと酪農学園大学経営環境学科に進学。ポイ捨て問題の解決について学べると期待に胸を膨らませていた。
|