「開館当初は本当に大変でした」と上山さんは笑って振り返る。湿地を守っていくことは関係者間で合意されていたものの予算も職員も少なく、詳細な事業や運営については手探りだった。はじめに、上山さんは湿地の課題である①植生遷移、②外来動植物の増殖を解決するために人が湿地環境を楽しみながら学び、活動に取り組むことのできる事業を企画し実践した。遷移の結果、多くなったマコモは刈り取り、リースやお茶にするワークショップを企画、手芸や料理が好きな女性らの参加を促した。外来種であるウシガエルやアメリカザリガニはスタッフによる定期駆除に加え、来場者に捕まえてもらう仕組みを整え、食材として地元の飲食店に提供。さらにアメリカザリガニの粉末化に取り組み、食を通じてより多くの人が事業に参画する機会を作った。
「多くのイベントを支えてくださっているのが、80名を超えるサポーターと呼ばれるボランティアの皆さんです。今年から賛助会員の登録も始まり、資金面での応援もいただいています」
また、地域の小学校の総合学習も積極的に受け入れている。
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