信州型自然保育認定園「野あそび保育みっけ」があるのは、標高1000mほどの山が市街地を取り囲む長野県飯田市。園舎にしている民家から車を走らせれば、どの方向へ向かっても30分もあれば山にぶつかる。
「子どもたちと森に入るときに動物を見かけることはめったにありませんが、糞や足跡などその痕跡はよく見つけます。飯田市は豊かな自然が残る地域ですが、幼児期には自然に触れる機会や環境はありません。都心に住む人たちのほうがその機会が多いくらいではないでしょうか」
「野あそび保育みっけ」は、もともとは地域のお母さんたちの自主保育団体だった。安定して運営できるよう内田さんが引き継ぎ、2013年から現在のような「森のようちえん」となった。
「森のようちえん」は、1950年代にヨーロッパで始まった自然の中でおこなう幼児教育。「野あそび保育みっけ」へ通う子どもたちも多くの時間を森や林で過ごす。服装は、長袖長ズボンに長靴。基本的に禁止事項はなく気のおもむくままに遊ぶため、全身泥だらけになっている子もいる。
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