愛知県東南部から東西に細長く伸びる渥美半島は、南は太平洋、北と西は三河湾、伊勢湾に面する、三方を海に囲まれた地域だ。半島先端に広がる「西の浜」は、湾への河川の流入と海流や風の影響で、ごみが大量に漂着する一帯となっている。
「昨日の南風で流れたのか、今日はごみがいつもより少ないです。私が子供の頃はきれいな浜でしたが、使い捨て文化がいつの間にかごみの量を増やしていたんですね」
漂着ごみを手に話す鈴木吉春さんは、1955年、愛知県渥美町(現在は田原市)に生まれた。「環境ボランティアサークル亀の子隊」代表のほか、「海に学ぶ体験活動協議会(CNAC)」理事などの役職を担う環境教育の専門家だ。1998年から毎月1回おこなわれ、現在は年に延べ1500人近くが参加して3000㎏以上のごみを拾う「西の浜クリーンアップ活動」は、小学校教諭だった鈴木さんが、小学4年生の生徒14人と始めたごみ拾いがきっかけだった。
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