「新入りでわけもわからないまま突っ走ってきたけど、これからどうしようかと悩んでいた時期もありました。そういうとき、私はきっとその悶々としているエネルギーを何かにぶつけようとするんです。そこで素晴らしい仲間と出会い、新たな一歩を踏み出すことができました」
この3年間は「森のようちえん」の名のもとに、光が丘公園で週末におこなう幼児向けの自然体験プログラムに力を入れてきた。夜の森で活動する動物や昆虫を観察したり、アウトドアクッキングをしたりと、親子で楽しめるプログラムが満載だ。村田さんによれば、いまや都市の環境を保全するには、未来を担う子どもたちの感性を育つのを悠長に待っている場合でなく、大人の啓蒙が直近の課題であるため、じつは子供に連れられてやってくる親にこそ学んでほしいと思って始めた事業だという。
「子供と一緒に参加することで、木の名前がわかるようになると、家の周りの公園や街路樹にも興味が出てくる。桜に付く毛虫は無害だから、いちいち大騒ぎしてつぶさなくてもいいんだとわかる。そういう積み重ねが地域に浸透していけば、街の身近な緑を子供たちに残していけるんじゃないかと思います」
|