|
──
|
「岩泉まつたけ研究所」で所長を15年務め、まつたけの生産量を飛躍的に向上させた吉村さん。その間に「岩泉まつたけ」はブランドへと成長した。その後、京都の岩倉で「まつたけ十字軍」の活動を開始。将来、まつたけ狩りができる林にするのが目標だ。まつたけと付き合って40年、吉村さんを虜にするまつたけの魅力とは何だろう。
|
吉村
|
「僕とまつたけとの出会いは、大学の研究室でした。僕の入った研究室では、“高等植物の開花生理”と“下等植物の生態”を研究する二つのチームがあって、僕は後者を選んだ。そのころ、菌類は下等植物といわれていて、僕はひねくれ者だから“高等”より“下等”のほうが面白そうだと思ったんです(笑)。それで、まつたけの研究を始めました。まつたけのように、生きた木と共生する菌根性のきのこは、人工栽培の方法が見つかっていません。僕も最初は、いかに人工栽培を可能にするかという姿勢で研究に取り組みました。でも、人類が宇宙に行く時代なのに、まつたけの栽培法は依然としてわからない。下等といわれながらも人のいいなりにはならないまつたけに、自分が虜になってしまいました」 |
|
|
|
まつたけ菌糸を感染させたアカマツ実生苗。大学の研究室で開発されていたころの感染苗は、2年ほどたつと菌根が剥落していたが、岩泉まつたけ研究所で改良を重ね、実地で使えるものに仕上がった
|
|
左:まつたけ菌糸を感染させて2カ月後の菌根のようす / 右:右側はまつたけ菌を感染させたもの、左側は未感染。感染させたほうがアカマツの成長がよいことがわかる
|
|
|