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石塚さんは、冬水田んぼは、「雑草の種を殺すのではなく、土の中で眠っていなさいという、地球に一番優しい農法」だという。
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石塚
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田んぼに水を張ると、まず藻類が生まれて光合成をします。すると、黙っていても光合成細菌が出てきて、次にそれを食べるミジンコのような微生物が出現します。そしてまたそれを食べる小動物が出てきて、最後は大型の鳥や哺乳類へとつながっていく。水から生物の連鎖が始まっていくんです。雑草を取り除くなんて、農薬を使えば簡単なんですよ。でもそれをしないことによって、こういう生物の連鎖が生まれるんです。
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冬水田んぼで発生した大量のイトミミズたち。農作業の前には、田んぼの傍らに佇む糸蚯蚓神社(上)にお参りする
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夏にはホタルが飛び交い、冬にはハクチョウをはじめとする渡り鳥が水草や落穂をついばみにやって来る。石塚さんによると、「ひいき目かもしれませんが、瓢湖のハクチョウの8割は笹神で食事をしている」とのこと。渡り鳥にとって、笹神は貴重な採食の場なのである。
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石塚 |
いまは合併して同じ阿賀野市になりましたが、ハクチョウで有名な瓢湖はもと水原町、僕らが農業をやっているのはもと笹神村です。だから僕はよく、「瓢湖は水原のものだけど、ハクチョウは笹神のものだ」というんです。だって昼間、ハクチョウは笹神の田んぼにいるんですから。僕は専門家ではないので推測に過ぎませんが、鳥は落穂と一緒に土も食べているんじゃないか。ハクチョウが笹神に飛んでくるのは、有機の田んぼの土が美味しいからじゃないかと思っています。 |
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