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試験圃場では、複数の固有種の芝に塩水をかけて耐塩性を比較するテストを実施中。芝の仲間には「塩腺」と呼ばれる器官があり、体内の塩分を排出できる
Profile
かたやま・いっぺい 1957年京都府生まれ。大学卒業後、講師を経て母校の桂高校に赴任。以来30年間園芸を教える。高校では珍しいゼミ形式の学習プログラム「TAFS」(Training in Agriculture for Future Science)の担当教員として「地球を守る新技術の開発」研究班を指導。ノシバの保護・活用の研究に取り組んでいる。 |
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芝の小さな種を採種するのはすべて手作業。10人で4時間かけて200g採種するのが精一杯という。被災地の緑化プロジェクトに必要な面積の芝生を栽培するには、現地で少なくとも3300g以上の種子を集めなければならなかった。 |
片山 |
全校生徒に声をかけて、総勢50名の「種子採種隊」を結成しました。バスをチャーター、京都—金華山2泊3日の採種ツアーです。予算の都合もあって、採種は1回きりでしたが、集めた種は発芽し、育苗を経て、圃場(ほじょう)に植え付けられました。いよいよ今年から現地で緑化に用いられる予定です。研究班はその後もたびたび被災地を訪れて、緑化の実証実験に取り組んでいますが、いつもハードスケジュールで、現地に7時間ほど滞在して帰りは夜行バスでとんぼ返り、なんてこともあります。でも、うちのゼミの生徒は意欲に燃えています。なにしろ「地球を守る新技術の開発」という大きな夢をもつ研究班ですから。これからは芝の可能性を国内だけでなく、海外の土壌改良や砂漠の緑化にも広げて活用していきたいと思っています。 |
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