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大学を卒業すると、西日本にある釣具メーカーに就職。『釣りバカ日誌』のハマちゃんを地で行く生活を送るが、それでも釣りをする時間が欲しくてとうとう退社。
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山崎 |
このときの日本は、リゾート開発ブームです。ゴルフ場や保養地建設、ダム工事などが生態系にどんな影響を与えるか、調査がじょじょに始まっていました。学生時代、私は土木の環境調査のアルバイトをしていたので、その方面は明るい。そこで環境アセスメント会社を立ち上げたら、仕事がどんどん舞い込んできて。
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活動を支える若いスタッフたち。環境調査の仕事を通して、多くの人材を育てている
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うけにいった環境調査だったが、ある時期からしだいにクライアントが離れていった。工事に入ろうとする会社にとって都合の悪い報告書を、山崎さんの会社は平気で提出するからだ。長良川河口堰の環境調査では、サツキマスの魚道を確保するための護岸工事を提案したが、ゼネコンに一蹴された。かわって増えたのが国土交通省関係の仕事だった。
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山崎 |
多摩川の魚類調査は、アユの生息状況が主です。でもアユを増やすには、アユの遡上を助ける魚道の整備が欠かせません。だから調査のかたわら、護岸工事で岸辺が干上がっていたり、水たまりになっているところを見つけては、そこへ川の水が流れ込むように砂利や泥を掘り起こして、魚の遊び場をつくってやりました。でも権限のない者が勝手に川をいじっているわけですから、やはりまずい。そこで、漁協に挨拶に行って組合員にしてもらったんです。 |
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