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片道3kmの里山歩きは道草の連続。園長が立ち止まるとすぐに子どもたちの輪ができる
みそ汁も自分たちで作る。だからおいしい
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朝9時半。園児たち約40人は、宮崎園長を先頭に元気よく歩き出した。緑濃い谷津田や雑木林をめぐり、森の奥へ──。「里山保育」の拠点となる古民家に着く頃には、いまどき珍しい“泥んこ”たちの出来上がりだ。
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宮崎
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私が住職を務めるお寺も近くにあるのですが、市街地にあって、この辺りだけは昔から変わっていません。私が小さい頃は、里山じゅうが遊び場でした。地元の腕白小僧ならみんな、どの道を行けばどこへ通じるか、隅々まで里山を知り尽くしていたものですよ。今日、園児たちが歩いてきたのもそういう道のひとつです。
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もちろんどこでも好き勝手に駆け回っていいわけではない。里山歩きには最低限のルールがあるという。
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宮崎
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大半が私有地ですから、森でも田畑の周りでも、許されているところしか通れません。山で道をはずれると林床が荒れるし、斜面が崩れたところに大雨でも来たら大変でしょう。決められた道を通り、途中で誰かに出会ったら必ず挨拶するのが里山の掟。園児たちにもそれだけは注意しています。5歳の子どもにどうやって言い聞かせるか? 簡単ですよ。守らないと里山保育ができなくなると言えばいいんですから(笑)。子どもは行きたくってしかたがない。彼らにとって里山は、それほど魅力的な場所なんです。
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